任意の実数に対して0以外の逆元の乗法を除法と定める。
x・y⁻¹=z
が除法。yの逆元をかけること。
x・1=z・y
yかけると逆元は消えて乗法単位元(何もしない要素)が現れる関係。乗法においてyを相殺するのがy⁻¹。
また上の式は
x÷y,x・1/yへ変形可能と定める。
乗法の一意性は証明済だが念の為確認。
x・y⁻¹=x・z⁻¹(仮定)
y⁻¹(仮定2)
y⁻¹・1(乗法単位元)
y⁻¹・x・x⁻¹(乗法逆元)
x・y⁻¹・x(乗法交換法則)
(x・y⁻¹)・x⁻¹(乗法結合法則性)
x・z⁻¹・x⁻¹(同値変形)
z⁻¹・x⁻¹・x(乗法交換法則)
z⁻¹・1(乗法逆元)
z⁻¹(乗法単位元)
乗法逆元の演算が一意的であることが示されました。
xを1へ送る乗法の元はx⁻¹だけ。
除法の性質を調べます。
任意の数と1の除法。
1・1=1(乗法単位元)
1・1⁻¹=1(乗法逆元)
1=-1…①
1⁻¹=1¹=1(定義)
1/1=1⁻¹=1…②
x/1=x・1⁻¹=x・1/1=x・1⁻¹=x・1=x(定義と②)
実数を1で割ると変化しません。
除法はこの変形が成立します。
x/1=x·1¯¹=x·1=x
x/yの逆元
x/yを乗法によって1へ送る元。
x/y=x・y⁻¹…①
定義より変形。
(x⁻¹・y)・(x・y⁻¹)(①と単位元の法則)
x・x⁻¹・y・y⁻¹(交換法則)
1・1(逆元)
1(単位元)
よって、x/yの逆元は
x⁻¹・y
y・x⁻¹
y/x
x/yの逆元はy/xが証明されました。
小学校で見た分母分子をひっくり返す形。定義から導けます。
(x·y)・(x·y)¯¹=1(逆元)
(x·y)·(x¯¹·y¯¹)(仮定)
x·x¯¹·y·y¯¹(交換法則)
1·1(逆元)
1(単位元)
(x·y)(x·y)¯¹=(x·y)·x¯¹·y¯¹(一意性)
以上は現時点で定義から演繹できた除法の性質。
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