メキシカンスタイルが「打たせずに打つ」のトップアマに対する反応戦略として機能しているんじゃないのって仮説を立てました。
今回はYoutubeのコメントにあったマイダナについて。
マイダナは超ニッチ戦略だって話をしていきます。
ニッチ戦術
マイダナは唯一無二
ボクシングを知り尽くしたPFPメイウェザーが慌ててミスを連発。
歯をへし折られ、コーナーを見失いました。
ラウンド終了のベルと同時のパンチでした。
明らかに足にきています。
この時一瞬意識が飛んでいたのでは?もう少し時間があればKOできていたのでは?と思ってしまいます。
再戦となったのですが、その経緯として初戦は「メイウェザーの負けだった」とファンが憤りを露わにしたからです。
初戦にメイウェザーがマイダナに対応できなかったのは反則スレスレのMMAファイトへマイダナに引きずりこまれたからです。
ノールックパンチにマイダナにしか打てない謎の軌道を走るチョッピングライト。
マイダナ「ディフェンス?何それ食えんの?」「見栄え?綺麗なら勝てんの?ボクシングに芸術点はねぇぞ?」
マイダナ「きれいなボクシングでメイウェザーに勝てるの?」
僕はマイダナのことをあまり知らなくて、この試合を見た時は確か21歳で大学生でした。カネロの後だったのを覚えてます。
カネロじゃメイウェザーのスピードについていけないって予想が当たって大満足。
カネロを簡単に捌いたメイウェザーなら、パンチがあるとは言えドヘタなマイダナはチンチンに捌かれると思っていました。
だってカネロがチンチンにやられたんですから。
ただその結果は既述の通り。
何故マイダナがメイウェザーを慌てさせることができたのか。
それはマイダナと戦うにはマイダナ用に戦略のチューニングが必要なほどのニッチな戦略だからです。
必要な戦略が「対ボクサー」ではない、というのが正しいかもしれません。
ボクシングの王道「かっこいいボクシング」の枠から大きくはみ出した、勝つことが前提のストリートファイティング。
マイダナのスタイルってなんだか不格好なんですよね。
ボクシングを始めるとかっこよさも求めちゃうので、マイダナのようなストリートファイティングは敬遠しがちです。
お手本としては選ばないですよね。
当然、ある程度できるようにはしておきますけど、マイダナレベルはちょっとやりたくない。
だからこそニッチなんです。
それが世界チャンピオンへ通づるだなんて誰も思いません。
マイダナはその一本の細い細い糸を手繰り寄せたんですよ。
彼にだけ見えた競技の抜け道、彼はそこを通ってきたんです。
史上最高と評されるボクサーを混乱に陥れるほど、尖っていたんですよ。
マイダナは環境にも恵まれたいたと思います。だって誰も彼を矯正しなかったんですから。
※矯正しようとして諦めたのかもしれませんが。
僕はマイダナを知っているからこそ、選手の感性を大切にしようと思っています。
でももしマイダナを知らない僕がマイダナを見たら、きっと「違う違う、世界チャンピオンへの道はこっちだ」って言って彼の世界チャンピオンの才能を潰してしまったと思います。
マイダナみたいにその選手にしか見えない世界チャンピオンへの抜け道あるかもしれないんです。
いびつに見える突然変異が環境を一変させる可能性を人間程度の知性では否定できません。
ファビアン・マイダナ
弟のファビアンは正統派ボクサー。
兄と同じようなハードパンチャーで18勝13KO2敗。
優れた成績ですが、最近は5勝1敗の選手に負けています。
兄マルコスは世界タイトル挑戦まで全勝、2敗までに世界タイトルを獲得しています。
マイダナのメイウェザー戦とファビアンの試合を比べてみてください。
どちらが才能豊かな選手だと思いますか?
二人のプロフィールを知らなければ、僕はファビアンだと即答します。
僕はボクシングや運動の才能を普通の指導者より言語化できていると自負しています。
それでも視覚的な情報だけではマイダナのポテンシャルを見落としてしまったと思います。
ハードコアファンは、不格好でかっこ悪い選手にこそ注目してみてください。
神様が用意した、環境を一変させる突然変異の遺伝子かもしれません。
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