等比数列の一般項
初項a、公比rの等比数列は
$ar⁰,ar¹,ar²,ar³…$
上より等比数列の一般項は
$x_{n}=ar^{n-1}$
初項1、公比2の第3項は
$x_{3}=1・2^{3-1}$(仮定)
$x_{3}=1・2^{2}$(自然数加法)
$x_{3}=4$(乗法単位元、べき乗)
第1項は
$x_{1}=1・2^{1-1}$(仮定)
$x_{1}=1・2^{0}$(自然数加法)
$x_{1}=1$(指数法則)
第0項は
$x_{0}=1・2^{0-1}$(仮定)
$x_{0}=1・2^{-1}$(自然数加法)
$x_{0}=\frac{1}{2}$(乗法単位元と指数法則)
第-1項があるなら$\frac{1}{4}$

部分和
部分和を$s_{n}$で表します。
n=1の時の部分和は初項a+0、すなわち等比数列の第0項の一般項で表せるので
$x_{1}=ar^{1-1}$(等比数列定義域)
$x_{1}=ar^{0}$(加法逆元)
$x_{1}=a・1$(指数法則)
$x_{1}=a$(乗法単位元)
1<nの場合。
n項までを一般項で表して、それを足せば部分和になります。
$s_{n}=a+ar+ar²…+ar^{n-1}$(等比数列)
$ar^{n-1}$が邪魔なので、同値変形して消します。
$r・s_{n}=ar+ar²…+ar^{n-1}・r$(両辺に×r)
$r・s_{n}=ar+ar²…+ar^{n}$(指数法則)…①
以上を展開します。
展開
$s_{n}=a+ar+ar²…+ar^{n-1}$(等比数列部分和)
$s_{n}-r・s_{n}=a+ar+ar²…+ar^{n-1}-r・s_{n}$(両辺から①を引く)
$(1-r)・s_{n}=a-ar^{n}$(分配法則と加法逆元)※1
$s_{n}=\dfrac{a-ar^{n}}{1-r}$(乗法逆元)
$s_{n}=\dfrac{a(1-r^{n})}{1-r}$(分配法則)
等比数列のn項までの部分和は
$s_{n}=\dfrac{a(1-r^{n})}{1-r}$
で求められます。
上の展開の※1補足
$s_{n}=a+ar+ar²…+ar^{n-1}$
の最終項には
$ar^{n-1}=ar^{n}・\dfrac{1}{r}$
分数がいる。邪魔。
乗法で消すのは大変なので加法で消します。
$r・s_{n}=ar+ar²…+ar^{n-2}・r+ar^{n-1}・r$(等比数列×r)
$r・s_{n}=ar+ar²…+ar^{n-1}・r+ar^{n}$(指数法則)…#2
これを両辺から引けば邪魔者を消せます。
#1-#2は#1の初項と#2の最終項以外は消えて下の式になります。
$s_{n}-r・s_{n}=a-a^{n}$
変形
$(1-r)・s_{n}=a-a^{n}$(分配法則)
$s_{n}=a-a^{n}・(1-r)$(乗法逆元)
$s_{n}=\dfrac{a-a^{n}}{1-r}$(分数定義)
$s_{n}=\dfrac{a(1-1^{n})}{1-r}$(分配法則)
公比が1の場合は
$s_{n}=\dfrac{1-a^{n}}{1-1}$(仮定)
$s_{n}=\dfrac{1-a^{n}}{0}$(加法逆元)
分母が0は解が定まらないので実数では扱えません。
従って、n=1の場合は部分和は使えません。この場合は一般項の式で導出します。
例題
初項2、公比3、第4項までの部分和は
$s_{4}=\dfrac{2(1-3^{3})}{-2}$(仮定)
2・-(27)・(-3)⁻¹=18



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