
デデキント切断引用WIIS
B から A を引いた差、差集合あるいは B における A の(相対)補集合と呼ぶ。記号を用いて書けば、
x∈B∖A⟺x∈B∧x∉A,上界
∃a∈ℝ,∀∈A:x≤a
WIIS実数の公理は
デデキントの公理
上限性質を持つ
有界単調数列の収束定理
アルキメデス性と区間縮小法の原理を満たす
ボルツァーノ=ワイエルシュトラスの定理
次の2条件を満たす
アルキメデス性を持つ
コーシー列は収束する
中間値の定理
最大値の定理
ロルの定理
ラグランジュの平均値の定理
コーシーの平均値の定理
ハイネ・ボレルの定理
と同値である。
デデキント切断の性質
有理数のデデキント切断(maxA∈A∧minB∉B)∨(maxA∉A∧minB∈B)
が成立します。
端点が切断A|Bのいずれかには端点があります。
A|Bのいずれかには必ず端点がある
A,Bの両者に最大値、最小値があると仮定します。
デデキント切断の定義と矛盾しないA|Bを仮定すると
minA≠maxA
となります。この場合は
maxA<x<minB
となり、A,Bの何れにも含まれない実数が存在することになり、デデキント切断と最小値の定義に矛盾します。
maxA=minBと仮定します。
maxA∈A∧minB∈B(仮定)
maxA∈A∪B(共通部分定義)
maxA∈A∪B∧∅=A∪B(デデキント切断)
⊥(排中律)
¬(maxA∈A∧minB∈B)(背理法)
¬maxA∈A∨¬minB∈B(ド・モルガンの法則)
maxA∈A∨minB∈B(補集合)
以上より、有理数を切断すると必ず最大値か最小値のいずれかだけが存在します。
上界の最小値は上限。つまりA,Bが空でないデデキント切断は上限性質を持ちます。
空でない上界をA、その補集合をBとした場合は切断A|Bの性質より
(A∨B=ℚ)∧(A∧B=∅)(上界と補集合)
∀a,b∈(ℚ[a∈A∧b∈B]⇒a<b)(上界と補集合)
A=B=∅(仮定)
∅でない上界を仮定した場合はデデキント切断と上限性質は同値となります。

無理数によるデデキント切断
任意の有理数の間には無理数が常に存在しているので、有理数は無理数aによっても切断できます。
この場合は
maxA∉A<a<minB∉B
となり、A,B共に開区間です。


上限と同値な表現

加法律引用WIIS
0<ε⇒minA<minA+ε(加法律)
minA-ε<minA(加法逆元)
Aの上界の最小値が上限なので、Aは上限で抑えられ、かつその間には無数の実数が存在します。


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