
パラエストラ天満長濱クラス。

投擲パンチ
この日は肩甲骨ロックと投擲パンチを感じてもらう日。
ワイルダーのワンツーはパンチが加速する”前に”既に上腕の内旋が起こっているのが分かります。
投擲パンチの記事で何度も説明しているのでここでは割愛しますが、骨格の構造から推察するに、根本的には骨盤の前傾→股関節内旋→脊椎湾曲→肩甲骨外転前傾が導く必然であろうと考えられます。
これを無理やり掘り下げるなら、ボクシングは遺伝子の表現型。
忍耐力や知能などの精神性も遺伝子の表現型だとするなら、ボクシングにはどの程度獲得形質で説明できる余地があるのかが気になりますし、残酷な結論が導けてしまう気がしてしまいます。
表現型
表現型(ひょうげんがた、ひょうげんけい、英: phenotype。ギリシャ語のpheno=表示+type=型に由来)は、生物の複合的で観察可能な特徴や形質を表す遺伝学の用語である。この用語は、生物の形態学的または物理的な形態と構造、その発生過程、生化学的および生理学的性質、その行動および行動の産物を網羅している。ただし、獲得形質は含まない
獲得形質
ある 個体 こたい が一生の間に 得 え た 形質 けいしつ 。 遺伝 いでん によるものでなく,生活している間に 外部的原因 がいぶてきげんいん によって 体細胞 たいさいぼう が新しく 得 え た 形質 けいしつ であるから, 子孫 しそん に 遺伝 いでん しないものと考えられる。

ワインダーの持つ、上腕の内旋を必然的に引き起こす根本的な実体が獲得されていないのなら、それは形を真似しただけの似て非なるもの。
「ハローハウアーユー」
相手の表情や相手との関係性などを無視して上のように形式的に発音するだけは英会話ではありませんよね。
ストレスのかからないバッグ打ちなどで頭に動作を思い浮かべながらできることと、状況に応じてワイルダーのような判断が行えることには根本的に異なります。
なのでまずは肩甲骨ロック、ひいて股関節ロックが起こせることを目指してください。それも妥協なく。
僕の経験上は、「こんなんもんだろう」という自分の浅はかさと甘さが人生を破壊します。
僕の人生を破壊するのは僕ですし、あなたの人生を破壊するのはあなた。逆も然り。
この日の長濱クラスでは、簡単なウォーミングアップで肩甲骨ロックの感覚を体験してもらい、その上でパンチやディフェンスの練習を行いました。
人によっては、従来の構え方や打法とは全身が逆に回転することに気がついたと思います。
そう感じられたなら、その後の練習の考え方や取り組み方は根本から変化します。
同時に、それは同じ生物に分類でき、かつ同じ体の大きさを持つ井上尚弥と四回戦ボクサーの圧倒的な差を生み出す論理を理解させます。
恐らくは、肩甲骨ロックと股関節ロックの自己強化循環が起こり始めると技術的な相転移が起こり、技術体系の曲面を移行させてしまうのでしょう。
核分裂は連鎖反応が臨界点を越えた場合に曲面が一気に爆発へ移行します。それまでは何も起こりません。
水の沸騰は臨界点を越えた瞬間に突然に起こります。
株価の暴落暴騰は参加者の相互作用が臨界点を越えた場合に起こります。
恐らくは肩甲骨ロックと股関節ロックはネットワークのハブ。
山手線がハブとして交通の効率を高めるようなこと。宇宙や脳が線路や人間関係と類似した構造になっているのは、この世界ではこの構造が最も効率的に情報を伝達するから。人間関係、例えばそれを視覚化した性病にはハブがいます。
股関節ロックや肩甲骨ロックは下の宇宙の画像なら、核として輝いている部分。一流ボクサーのシステムも視覚化すると下のようになっているのでしょう。
ハブを作らないとネットワークは広がらない。すなわち競技力の相転移が起こらない。
この仮定は技術や練習の取捨選択の判断を簡単にしてくれると思います。

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