乗法の0元以外で0を作れないのか、と。すなわち、0以外の元同士を作用させてx・y=0の結論を得られないのかと。

背理法を用います。
x≠0∧y≠0⇔x・y=0
x≠0∧y≠0⇒x・y=0(前提)
x(仮定)
x・1(乗法単位元)
x・y・y⁻¹(乗法逆元)
(x・y)・y⁻¹(結合法則)
0・y⁻¹(前提)
y⁻¹・0=0(交換法則)
0(0の乗法定理)
仮定と矛盾。
従って、背理法によりx≠0∧y≠0⇒x・y≠0が導かれます。
xに関しても同様。
x・y=0ならばx=0またはy=0。あるいはx=0かつy=0。
次。
x・y≠0⇒x≠0∧y≠0
の証明。
対偶を用います。
x=0∨y=0⇒x・y=0
場合分けし
x=0,y=0,x=0∧y=0の何れの場合もx・y=0は妥当となります。
必要十分条件を満たすので
x≠0∧y≠0⇔x・y=0
が成立します。
また、
x≠0∧y≠0⇔x・y=0
が妥当であることは、その対偶が妥当であることも保証します。
0a=0
の定理とも整合的。

除法y・x⁻¹=y/xに関しても同様。
x=0∨y=0⇔x・y=0
と同値。
乗法除法においてx・y=0はx,yの何れかが0となります。
マイナス×マイナス=プラス
乗法の加法逆元の定義より
(・+y)を0にするような逆元-(x・y)を0にするような加法逆元が存在します。
(x・y)+(-(x・y))=0
また、
(x・y)+(-x・y)(仮定)
y(x+-x)(分配律)
y・0(加法逆元)
0(乗法単位元)
(x・y)+(-x・y)=0
(x・y)+(-(x・y))=0
同じ要素に作用させて同じ結果を導く要素は同じであることを示す乗法一意性の定理により
-(x・y)=-x・y
同様に
-(x・y)=x・-y
具体的には
-(2・3)=-2・3=2・-3=-6
であること。
これは
-x・-y=x・-(-y)
と変形できることを意味します。
逆元の逆元は元の元であることも証明済なので
-x・-y=x・-(-y)=x・y
マイナス×マイナスがプラスであることをが示せました。
-1・-1=1
「後ろの後ろは前」
な導出できました。恣意的に決められたようにも見える規則で、ヒトの自然な認識が現れるのは面白いですね。


コメント