公理主義実数論の立場から除法≒割り算を考えます。
除法
実数 x の正整数 n 乗は、素朴には、n 個の x を掛け合わせたものである。厳密には、次のように再帰的に定められる。
(∗)x¹:=x,
(∗∗)xn+1:=xⁿ×x(n≥1)
.x0 を定義する場合には、関係式 (∗∗) が n = 0 でも成立するように定義を拡張するのが自然である。
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除法
x・y=z(仮定)
x・y・y⁻¹=z・y⁻¹(同値変形)
x・1=z・y⁻¹(乗法逆元)
x=z・y⁻¹(乗法単位元)
x=z・y⁻¹=z・1/y=z÷y
この文脈が除法。
y¹を相殺し1に変形するのがy¹の逆元y⁻¹。
n乗の定義を踏まえればy⁻¹=1/yの同値関係が除法であると定義できます。
あるいはx・y=z⇔x=z・y⁻¹が乗法と除法の関係。
例
2¹・2⁻¹=2/1・1/2=2・0.5=1
10¹・10⁻¹=10・1・1/10=10・01=1
この関係
x・y=z⇔y=z・x⁻¹
よく中学生か高校で目にした変形。
x実数 x の正整数 n 乗は、素朴には、n 個の x を掛け合わせたものである。厳密には、次のように再帰的に定められる。
(∗)x1:=x,
(∗∗)xn+1:=xn×x(n≥1)
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練習問題
1・1=1(除法単位元)
1・1⁻¹=1(乗法逆元)
1⁻¹・1=1(交換律)
1⁻¹=1(乗法一意性.)…①
x・1⁻¹=x/1
と定義②。
x(仮定)
x・1(乗法単位元)
x・1⁻¹(①)
x/1(②)
x⇔x・1⇔x・1⁻¹⇔x/1
x⁻¹=1/xと定義
x・x⁻¹=1
x・1/x=1
-1乗で分数を表現できます。
乗法一意性
自明にみえますが、年のために乗法の一意性が成り立つのかを確認します。
x・y=x・z(前提)
y(仮定)
y・(x・x⁻¹)(乗法逆元)
(y・x)・x⁻¹(乗法結合律)
(x・y)・x⁻¹(乗法交換律)
(x・z)・x⁻¹(同値関係)
(z・x)・x⁻¹(乗法交換律)
z・(x・x⁻¹)(乗法結合律)
z・1(乗法逆元)
z(乗法単位元)
x・y=x・z→y=z
逆も真なのでz→y。すなわちz=y。
練習問題
(x ・y)¹(x⁻¹・y⁻¹)⁻=1
の証明
(x・y )¹・(x⁻¹・y⁻¹)(仮定)
(x・x⁻¹)・(y¹・y⁻¹)(乗法交換律)
1・1(乗法逆元)
1(乗法単位元)
((x・y )¹・(x⁻¹・y⁻¹)→1)∧((x・y )¹・(x・y)⁻¹→1)(∧導入)
(x⁻¹・y⁻¹)=(x・y)⁻¹(乗法一意性)
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