自分のボクシングなんてできない、させてもらえない

よもやま話
よもやま話メンタル戦略

クロフォード選手の試合を見てそう思いました。
そしてチームメイトの木村吉光、ジムの先輩の今野 裕介さんの試合を控えて思います。
自分のやりたいボクシングなんてさせてもらえない。
相手のやりたいことをさせない、自分の土俵で戦わせるのがボクシングなんです。

自分のやりたいことはさせてもらえないという前提の元、「ならどんな風に戦略を練るべきか?」の戦略的なお話になります。
自分の得意パンチ、得意な戦い方、スタイルが出来上がってきた方の参考になればと思います。

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やりたいことなんてさせてもらえない

勝負にはこの前提が絶対に必要です。
ボクシングでなくてもギャンブルだろうが会社経営だろうが同じだと思います。
そして人生においても。

クロフォードvsブルックだってそうでした。
クロフォード選手には「上手くいくわけない」そんな心構えがあったのかもしれません。
オーソドックススタンスでブルック選手に差し負けて。
それでも少しも乱れることなんてなかったんです。
そんなことは織り込み済みであるかのように淡々と試合を進めていました。

一流のクロフォード選手は何度も何度も苦戦して、上手くいかなくても挫けない、動揺しないメンタルを磨いていたんだと思います。

だから上手くいかなくても焦らず試合を進められた。

上手くいくことの方が珍しい

僕は元々「自分のボクシング」ができれば勝てると思っていました。
だけど、そうじゃないことに気がつき始めました。

「自分のボクシング」をやれば勝てるなんて甘い考えでは、勝てません。
痛いほど経験してきました。
泣くほど悔しい思いも味わいました。
その経験を経てようやくつかんだ一つの勝利の糸口があります。

それは「やりたいことなんて、させてもらえない」です。
特に相手の競技力、勝負強さが高まれば高まるほど既述の甘い考えは通用しなくなります。

前提が違えば準備が変わる

「自分のボクシングをやる」という心構えでは相手が自分のボクシングの中枢を潰してきた時に慌てます。
対策も用意していないから、対応できません。
負けます。

だけど、「自分のやりたいことはやらせもらえない」という前提なら全く違う用意ができます。
「どうやって相手は自分の良さを潰しに来るだろうか?」自然とこの発想に行き着きます。
次に「なら、どうやってそれを防ぐか?」です。

結果的には「自分の良さを潰そうとしてくる相手の裏を、どうやってかくか?」も自然と導きだせるはずです。
相手が用意してくるであろう戦術の裏をかけます。相手の策を利用できます。

そうやって駆け引きをやってようやく自分のボクシング、土俵へ勝負を持ち込むことができるんです。

相手も必死です。
僕の得意なボクシングなんてさせてはくれません。
得意なパンチは出させないし、得意なパターンなんて作らせません。

だけど、相手がそれをさせないような用意をしてくると知っていたら。
話は少し変わってきます。

その裏をかけるからです。

得意なパンチにカウンターを狙われていても動揺しません。
むしろそれをどうやって利用してやろうかと試合の前から考えこれるはずだからです。

だから、勝負の前提として「自分のやりたいことなんてさせてもらえない」が重要なんです。

今野さんの相手の内藤選手も吉光の相手の仲里選手もはっきりと強いです。
内藤選手は東洋太平洋チャンピオンだし、吉光と仲里選手の勝者が東洋太平洋タイトルに王手をかけるはずだからです。

吉光の試合はきっと倒すか倒されるかの試合です。
仲里選手は吉光に負けないくらい気持ちが強いし、技術とパンチがあります。
吉光のフィジカルの強さは特に警戒してくると思います。
巻き込まれたら仲里選手と言えど堪らないはずです。

だけど、吉光は穴が無いわけではありません。
攻撃の瞬間、踏み込む瞬間には隙があります。
僕ならカウンターを用意していきます。
そのカウンターを当てるための距離を設定します。

絶対に吉光の得意な距離、打ち合いには持ち込ません。
足を使い、時に体を密着させて空間を潰して。
なりふり構わずあの手この手で自由を奪います。
吉光に考えさせます。迷わせます。

仲里選手はどんなプランを用意しているのかも注目です。

今野さんも苦しい展開を強いられると思います。
内藤選手は相手にやりたいことをさせない達人です。
離れた距離ではたき合えば、大きな差はつかないかもしれませんが、手堅く内藤選手にポイントが流れていくはずです。
内藤選手は追われる展開には慣れています。
追っても捕まらないはずです。
今野さんはどんなプランで内藤選手を打ち合いの消耗戦に引きずり込むか。

ベテラン二人の駆け引きにも注目です。

まとめ

ボクシングは殴り合いですが、12ラウンドや10ラウンド、8ラウンドあります。
体力の使い方やそのための駆け引き、自分の土俵へ引きずり込むまでの手順が必要です。
「自分のボクシングをやれば勝てる」では勝てません。

『戦略(計画)』がとても大切になります。

その計画を立てる前提が「やりたいことはさせてもらえない」なんです。

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この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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