今回は「ストレートを打つ時は前の腿でブレーキですか?」という質問に答えていきます。
前の腿の大腿四頭筋はブレーキ、裏モモのハムはアクセル。
そう言われたりします。
ボクシングにおいてはどうなのか考えていきます。
結論からの先に述べると両方必要、だけどブレーキでも前腿が効きすぎるのは良くない。
です。
軸脚のブレーキ
ジャブ
基本的に踏み込んでジャブを当てる場合はこんな風に足→脛→腿→脛が骨盤を向くようにします。
そうすることでつっかえ棒のように骨格で勢いを制止できます。
骨で勢いを止める成分を増やすことが、不要な筋力発揮を防いで脱力に繋がるので、大切です。
前の脚から伝わる地面反力と摩擦のブレーキと上半身の勢いにより股関節が屈曲し、ハムケツが引き伸ばされるので伸張反射が起こります。
※膝が曲がりすぎるとハムケツの伸張反射が起こりにくくなります。
股関節が伸ばされるというのはつまり上半身が起こされるということです。
腕の運動の向きと反対の方向に上半身が動くのでブレーキ効果により拳が加速します。
また身体が起こされ頭が顔から遠ざかる方向の加速度が加えられるので、自然とディフェンスにもなります。
右も同じように骨で止めます。
以下のリンクでもお話していますが、足の向きと脚の角度によっては骨盤の回転によりケツの伸張反射が起こせるので、自然に回転が止めようとする逆向きの加速度が加えられます。
先ほどのジャブの例と同じようにブレーキ効果で腕が加速し、また回転が制止させられるのでディフェンスとしての効果もあります。
GGGは上半身が前傾しすぎてバランスを崩れることがないのは股関節主導のボクシングに理由があると思います。
右のパンチも同じように膝が曲がりすぎるのは良くありません。
以上が骨格とハムケツによるブレーキの解説でした。
次に大殿筋のブレーキを考えていきます。
パンチを打つ時に前腿に力を感じてしまうのは一つは骨格で勢いを制止できていないからです。
こんな風に足をつっかえ棒にできれば、身体にかかる重力を骨で受け止められますし、推進力を受けても膝が曲がりにくく前腿が過剰に効いてしまうということはありません。
ハムケツで勢いを止められる姿勢です。
一方でこの構えはオレンジで表現した重力により、膝が青の矢印方向に回転させられます。
また推進力も骨で受けきれていないので、その力も前腿で受けてしまいます。
よって前腿(大腿四頭筋)を強く収縮させる必要があり力みを誘発し、動作のスムーズさを失います。
右ストレートでも同じようなことが起こります。
オレンジの重力により曲がろうとする膝の回転を前腿が止めなけばなりませんし、骨がつっかえ棒にならないので身体の推進力を前腿で打ち消す必要があります。
結果大きな力が前腿に加わるので、前腿は強く緊張してしまいます。
これらの原因は脛の向きにあります。
脛の向きが骨盤の方向を向いていないので、骨格を伝う地面反力を骨盤で受けきれないんです。
脚をつっかえ棒にしてハムケツで勢いを止める。
とはいえ当然前腿の筋肉も姿勢の保持に動員されます。
大切なのはなるべく骨格で止められる、ハムケツを動員しやすい姿勢を作ることです。
足より前に脛が出たり、脛が前向きになったしまうと地面反力が前に向いてしまってより勢いを止めるのが大変になります。
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