強烈なパンチを打つ選手の動作から抽出できる共通点の一つの説明。
大腰筋パンチ
下の動画が大腰筋による脇腹の収縮が分かりやすいと思います。
脊椎の側屈によりスイングする腕の反対側の肩が下がります。
大腰筋がこれを引き起こしていると仮定し、それが破壊的なパンチを生み出す理由を考えます。
1.姿勢反射の抑制
まず考えられるのは姿勢反射の抑制です。
足場が悪い場合、防衛本能は転倒を防ごうと体の制御を意識から奪い、手足をばたつかせまます。
宙に張った綱の上に立ってパンチを打つことを想像してみてください。
筋肉はバランスの保持に忙しく、安定した足場と比較すると極端に出力が落ちると想像できるはずです。
低度の差はありますが、バランスの悪い姿勢(例えばつま先立ちなど)は同じことが起こるだろうと僕は考えています。
簡単に図にしました。
大腰筋が弱い場合は股関節でのけぞるような形(上)となり、重心が支持脚の外へ飛び出すので骨格を支えることに筋肉が多く動員されます。結果的に全身のエネルギーは分散され腕のスイングの力は抑制されます。
足場が悪い場所では腕を振り回せないことを想像してください。
意識的にそうできないのではなく、本能的にできないはずです。
大腰筋が強い場合(下)は脊椎が骨盤へ引き付けられ図のようになります。ショート動画で紹介しているドネアやクリチコのような動きです。構造的に安定します。
前提1.大腰筋が太い場合は重心は骨格に乗り続け姿勢反射が抑制される。
前提2.姿勢反射が抑制されるとパンチに変換されるエネルギーの量が増える。
結論:大腰筋が大きいと強いパンチが打てる。
次は小胸筋と前鋸筋の収縮方向から考えます。
下の図のように前鋸筋小胸筋は付着し、構造的に床方向への張力が最も大きくなります。長濱式のディップスや懸垂が下方向へ押す動作を強調している理由です。
1.前鋸筋小胸筋の張力は床方向で最大化。
2.大腰筋で脊椎を側屈させると前鋸筋小胸筋は持ち上げられ、その張力は前方向を向く。
3.肩甲骨が安定してる場合はそうでない場合と比較して大胸筋の張力が腕の推進力へ効率的に変換される。
結論:大腰筋の収縮で脇腹を潰せるとパンチ力が増す。
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