3. ピルビン酸から乳酸への還元:NAD+の再生と高強度運動の維持。
酸素供給が追いつかない高負荷運動時、解糖系を持続させるために必要な $\text{NAD}^+$ を確保すべく、ピルビン酸は乳酸脱水素酵素(LDH)によって乳酸へ還元されます。この際、$\text{NADH} + \text{H}^+$ が消費されて $\text{NAD}^+$ が再生され、解糖系が停止するのを防ぎます。
3が難しいので補足します。
$\text{NAD}^+$
糖を酸化して、分子を高エネルギー化するスイッチ。
ビスホスホグリセリン酸(BPG)
NAD⁺の酸化反応のおかげで誕生した、ATPを生み出す代謝中間物。高エネルギー分子。
ホスホエノールピルビン酸
BPGのエネルギーを引き継ぎ、最後のATPを生み出す最高エネルギー分子。
ピルビン酸はミトコンドリアでエネルギー(ATP)に分解される
筋肉などで作られた乳酸は、酸素が十分に行き渡ると、再びピルビン酸に戻ります。
- その後、細胞内のミトコンドリアに取り込まれます。
- クエン酸回路という代謝経路で水と二酸化炭素にまで完全に分解され、大量のエネルギー(ATP)を生み出します。
- 作られた乳酸の約70〜80%は、このようにその場や周囲の筋肉で直接エネルギーとして消費されます。
少しだけ単純化
NAD ⁺がビスホスホグリセリン酸から電子を抜き取り酸化し、最強のエネルギー分子であるホスホエノールピルビン酸を生成します。ATPが再合成されてピルビン酸になります。
暗記しやすいように最後の3を単純化しました。
グルコースの分解
- $NAD^{+}$はグルコース分解過程から電子を引き抜く
通常のバケツリレー
- $NAD^{+}$が糖から取り出した高エネルギーな電子$e^{-}$と水素イオン$H^{+}$を受け取ってNADHになり、ミトコンドリアへ運ぶ
- 燃料であるピルビン酸もミトコンドリアへ入り、クエン酸回路で大量のATP合成
限界突破モード(ミトコンドリアの渋滞)
- 運動からのエネルギー要請が高い場合、解糖系のスピードが限界突破しミトコンドリアの処理能力を超える
- 電子を渡せないNADHが細胞質で大渋滞を起こす
- このままだと空の$NAD^{+}$が底を突き、解糖系がストップする危機的状況
ピルビンさん(酸)の神対応(乳酸への変化)
- 本来はミトコンドリアで燃やされて大量のATPを合成されるはずだったピルビン酸が、急遽「NADHの渋滞解消(電子の受け皿)」に回る
- ピルビン酸が電子を引き受けて乳酸に変わることで、$NAD^{+}$が復活
- おかげで解糖系だけは維持され長く動き続けることができる
NADH「ピルビンさん…」
PEPとピルビン酸の違い
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- ホスホエノールピルビン酸 (PEP): ピルビン酸にリン酸基が結合した、非常に高いエネルギーを持つ中間体です。
- ピルビン酸: 解糖系の最終産物であり、クエン酸回路や乳酸発酵へと進む分岐点となる物質です。
PEP→ピルビン酸反応の概要
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- ピルビン酸キナーゼ: この反応を触媒する酵素です。
- ATPの生成: 高エネルギー化合物であるPEPからリン酸基がADPに転移し、1分子のATPが作られます。
- 不可逆反応: エネルギーの放出が非常に大きいため、解糖系の中で逆戻りできない一方向の反応です。
代表的なトレーニングプロトコル
高強度の解糖系代謝を最大限に働かせつつ、意図的に不完全回復を挟む設定が基本となります。
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レペティショントレーニング(最大運動)
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ショートレスト・高耐性インターバル
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強度: 準最大(90〜95%出力)
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運動時間: 40秒
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レスト: 60秒〜90秒
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セット数: 4〜6セット
実施時の留意点
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