膝が曲がる理由その五

技術運動理論
膝が曲がるその四
続き。 姿勢と技術 骨盤が前傾すると脚が伸ばされることはその三で説明しました。詳しくは上のリンクを見てください。 今回は骨盤前傾と上のゴロフキンの踏み込みとの関係、そして、骨盤が前傾しないことが導く非合理の自己増殖についての長濱説を述べます...

続き。

腕のスイングと骨盤前傾

腸腰筋が太い⇒骨盤前傾⇒斜め推進⇒二軸打法
の推移関係を解説します。

二軸打法は僕の造語です。分かりやすいのはヌンチャクの加速。

以下にシミュレーションを載せました。ヒンジ(関節)の硬さが末端の速度に加速度を与えているのが分かると思います。

関節のブレーキ効果(偶力)により、運動量の交換が効率的に行われます。従って、これだけで競技能力を語るとのはあ余りにも乱暴だと注釈する必要がありまさが、大雑把に言えば、運動に動員される関節が増えるとその勢いは増します。

すなわち、運動が上手い人が脱力が上手いと言い換えられます。
補足すると、因果関係としては
硬い⇒柔らかい
だとは思うので
「上手くなりたい、そうだ力を抜こう」は上手くいかないと考えます。それで力を抜ける人は居るでしょうが、大半は生理的に脱力ができないと考えられますので、力を抜きたいのなら、まずはその必要条件を満たす必要があります。

脱力の必要条件などを考察していますので、詳しくは下の記事を。

【姿勢反射】自動システムによる重力、慣性力の利用と末端の加速【サイレントピリオド】
インスタに載せましたが、この動画の詳細をまとめていきます。自動システムによる姿勢制御とサイレントピリオド。無心により起動される運動における合理的なシステムがあることを解説していきます。股関節への乗れること、身体外部のエネルギーの利用の重要性...
柔らかさ≒硬さ
股関節ロック≒股関節の硬さ(強さ)が上半身の柔らかさを担保します。 因果関係を見誤る この場合は柔らかく見える→柔らかいではありません。 この手の主張はボクシングジムには溢れています。柔軟体操などが導かれたのには、この「柔らかい、ならば柔ら...

閑話休題。

二軸打法

冒頭で載せたGGGと井上尚弥の踏み込みは斜めになっています。それは股関節が活性化してるからだと考えられます。

そして、斜めに踏み込む場合は動画で示しているように必然的に体の外側へ腕をスイングする形をなります。すなわち、股関節と肩関節の二軸が強調され、既述したヌンチャク(鞭)原理でパンチの速度が増します。

腸腰筋が強い⇒斜め推進⇒二軸打法⇒パンチが強くなる
と推論でき、推移関係から、腸腰筋が強い⇒パンチが強い
と言い換えられます。

また、
骨盤前傾⇒胸椎後弯⇒肩甲骨外転前傾
と言い換えが可能なので、腸腰筋が強いことは二軸とは別の経路からもスイングを効率化しパンチ力を高めます。

合理が合理を引き寄せる自己強化です。僕がフィジカルとスキルが不可分だと考える理由です。

膝が曲がる

骨盤が後傾すると構造的に膝が曲がり、下のような形になります。

GGGのようにパンチを打てる場合と比較すると軸足のブレーキ効果が弱まり、パンチの勢いが殺されます。

また、バランスが崩れる、かつ反発とそれに伴うハムケツの反射が弱いことが安全な位置へ即座に退くことを難しくします。

これは打ち合い根性論を含意するような論理的な構造になってると僕は感じます。

日本の馬鹿げた我慢比べを好む文化的下地ですらあるような気がします。

以下に動画をまとめました。

強打の技術 『ブレーキ効果』
僕が『ブレーキ効果』と勝手に読んでいる現象があるんです。 名前を付けると物事を考える上で効率がいいんですよね。 ただ、僕がそう呼んでいるだけなので、今回の話はもしかしたらスポーツでは常識で他の呼び方があるかもしれません。 今回はボクシングに...
ブレーキ効果
ゴロフキンの右フック
ゴロフキンの骨格
井上尚弥のサイドへの位置取りと股関節ロックの因果関係
井上尚弥のサイドへのバックステップと股関節ロックの因果関係
ゴロフキンと肩甲骨ロックと肩甲骨平面と大腰筋と二軸
ゴロフキンの強さの原理
ロペスの二軸パンチ
本編
代入原理と対称律と推移律
代入原理と同値関係 代入原理: 対象 a, b が a = b であるときには、一つの自由変数 x を含むどんな命題関数 P(x) についても P(a) ⇔ P(b) が(両辺ともに一意的な意味を持つ限りにおいて)常に成り立つ。Wikipe...

お問い合わせはこちら

パーソナルトレーニングやグループトレーニング、セミナーや取材、YouTubeコラボなどのご依頼はこちらからよろしくお願いします。

トレーニングの依頼などはこちらから

長濱陸Tシャツ

お求めはこちらから

スポンサーリンク
Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

股関節おじさんをフォローする
スポンサーリンク
スポンサーリンク
股関節おじさんをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました