絵に描いたような恐ロシア人 ラジャブ ブタエフ

選手分析
選手分析

ブタエフはウェルター級です。
エニス、オルティス、ウェルター級ばっかりなのは僕がウェルター級の選手だからだと思います。
“welter”って文字を見るとどうしてもクリックしちゃいます。

でブタエフは眼光がやべぇって記事で一度紹介しました。
今回は眼光以外の、骨格、打法、構えなどを加味したうえで彼の特徴を見ていきます。

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ラジャブ ブタエフ

データ

身長が179cm、リーチが183cm。
エニス、オルティスと同体格の28歳。
WBAのタイトル保持者なんですが、WBAはベルトが二つあってブタエフの上にパッキャオに勝ったキューバ人のヨルデニス・ウガスがいます。WBA1位みたいなポジション。
調べてみたんですが他の団体にはランキングされてないませんでした。なぜ???WBAがおかしい雰囲気になっています。
世界ランカーの実力は間違いなくありますけどね。何かしたんですか?知っている方は教えてください。

ヤバイ骨格

オルティスの骨格もヤバイって話しましたが、ブタエフの骨格もやべぇ。
脊椎の湾曲効きすぎだろ…
GGGと同じで腸腰筋が強すぎて腰椎から胸椎まで骨盤に固定されているんじゃないですかね。

湾曲によって脊椎の溝が強調された背中をしています。
脊椎に押し出された肩甲骨が胸郭の側部へスライドし、迫り出した肩甲骨に押し上げられて脇と背中の上部が盛り上がっています。

骨盤が後傾すると背中の中央が盛り上がった形になるので、背中の盛り上がりだけで判断しないように注意してください。

骨盤前傾の場合は楕円形で胸郭が横から見て分厚くなります。

背中の上部の盛り上がった楕円形の体をしてます。

骨盤前傾のポテンシャルに関する記事はこちら

荷重はオルティスに似ていますが、通常の姿勢ではへ荷重。
見合った時の姿勢はオルティスよりは遠い感じがします。
エニスよりは近い。

脇を閉めてハイガードですっぽり頭を隠しています。

ハイガードですが腕の重さ、力みはあまり感じません。

骨盤が前傾すると脊椎の湾曲が強くなるので胸椎が胸郭の下に入り込む形になり、胸郭を骨格で支えられます。

骨盤が後傾すると重さが腰椎に加わり背筋で支える形になります。

特に腰椎を支える筋肉にストレスがかかります。
黄色人種に腰痛が多い理由です。

閑話休題。

恐ロシア式打法

ロシアの強い選手って手打ちが強調されているんですよ。
どの国の選手よりも強調されています。

視覚的には体幹がほとんど動かず腕が高速で振り出されるので、腕の力は抜けているんだけど体幹は少し硬い印象を受けます。
手打ちを強調したような打法で一瞬で体幹の運動量を腕と交換できることが特徴です。

ただロシアの選手の全てではないので、ある地域で伝統として教えられている打法なのかな?もしくはあるレベル以上(ナショナルチームとか)で教えられているのかな?と考えています。

ブタエフも手打ち感が強いです。
タメが短くスイングが速い。バランスが崩れにくいですが、射程は長くありません。
得意のミドルレンジでは超絶破壊的なパンチです。

僕は手打ちの意識を最大まで高めた場合のアドバンテージが最大になるのはミドルレンジだと考えています。で、実際に手打ちが強調されているミドルレンジでタメの短いパンチが最短距離を走るブタエフの能力は最大化すると思います。

手打ちの感覚を強めてバッグ打ちしてみました。
普段より距離が近くなっています。
ミドルレンジ。手打ちの意識を強調すればするほど、ミドルレンジでのアドバンテージが最大化すると僕は考えています。

詳しい解説はまたの機会に。

眼光

眼光が鋭い。
何度目だよってなるのでここでは割愛します。

強い選手でそうでない選手はいないと思いますが、相手を凝視しています。

ディフェンス

基本的にブタエフはオルティスと同じように攻撃が防御になっている選手です。
強打かつハンドスピードが高い上に攻撃的なのでどうしても相手はアウトボクシングになります。

見合う距離はオルティスと比較すると若干ブタエフの方が遠いと思いますし、ガード自体はタイトなので離れている時にもらうことはありません。ただミドルレンジで戦いたがるのでそこにたどり着くまでに被弾します。

ディフェンスの技術は高いと思いますが、攻撃的で乱暴に距離をつぶしていくのでその過程で被弾します。攻撃性と比較するとクリーンヒットは少ないと感じますので、ブロッキング、ヘッドムーブなどのディフェンスの技術が高いことは間違いないと思います。

いくつか試合か見てみた感じ、ロングレンジで戦えないのではなく性格的にミドルレンジになってしまうタイプだと感じました。

気が強すぎる。

オフェンス

ミドルレンジでの強さは群を抜いていると感じますが、その得意な距離以外ではあまり手が出ません。
全ての試合を見たわけではないので他の引き出しがあるかもしれず、力を見切ってさっさと倒したいだけの可能性があるので断言はできませんがミドルでの攻防に特に特化しているように見えました。

比較として同じウェルター級の注目選手オルティスを挙げますが、彼は基本的にパワージャブで相手の体勢を崩してから踏み込んでいくか、またはワンツーのようなロングレンジでの大砲をコンビネーションへの楔としています。近距離でも一瞬で角度と空間を作れるので攻撃が開始するのが速い。

一方でブタエフはロングレンジからワンツーで踏み込んで、みたいにロングレンジで強打を狙うことはなく、ヘッドムーブメントで的を散らしながらか、ジャブを細かく散らしながら、またはハイガードでいきなり突っ込んで得意のミドルレンジにする傾向が高いです。
それからブタエフはちょっと攻撃を開始するまでに間を置きたがりますね。
いきなり強打が出せるタイプではなく、強く打つ前にチョンチョンってリズムを作りたがります。

超攻撃的な両選手ですが、ロングレンジで大砲をぶっ放して接近できるオルティスとは微妙に違います。

ブタエフの距離が中間距離に限定されているので戦える距離の幅が広い分、戦えば手数でオルティスにアドバンテージがある気がします。

気が強すぎる

基本的に冷静な表情をしていて序盤は間合いを保ってカウンターとかやっていますけど、一発クリーンヒットもらうと態度が豹変します。
やり返してやろうって感じで距離がぐっと近づきますね。

ジャブの間合いで戦っている時の方がカウンターもポンポンでるし、打法のアドバンテージが生きているようには見えるんですが、一発もらうとだめですね。グッと強引に距離を詰めてしまいます。
それでいい時はありますけど、それだと上手くいかないこともあります。
上手くいかないなって冷静になれれば気の強さが空回りすることってありませんけどね。
ブタエフはムキになり過ぎじゃないかって思う場面もあります。

総合するとオルティスとの試合はファイトオブザイヤー級の試合になります。

性格もスキルです。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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