「殴る」「殴られる」時に必要な感情を獲得する

トレーニング初心者向け

今回は初心者向けにスパーリングの恐怖感をどうやって克服するかをお話します。
スパーリングが怖くなるのはいきなり練習の強度を上げてすぎているだけです。
自然な拒否反応なので、落ち込まず前向きに考えてください。

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条件付けスパーリング

大切なのは徐々に慣らしていくこと。
段階的に心に加えるストレスを強めていくことです。

「人を殴る」ことにも普通はストレスがかかります。
特に最近の子供たちは争いを避けるように洗脳されているので、殴り合いに大きな抵抗を感じるようです。

話は変わりますが、僕の中学校では半分は不良で暴力が当たり前だったので、降りかかる火の粉は自ら払わねばならりませんでした。弱いといじめの対象になっていたんです。
僕の父親も「言ってダメなら殴れ」といじめっことの戦い方を教えてくれました。
懐古主義と言われればそれまでですけど、最近の子供たちを見ると「弱い」と感じてしまいます。
30歳になったばかりの僕の頃と、つまり15年前と比較してです。わずか15年でこれほどまでに環境が変わっていることには強い違和感を覚えます。
戦えない、争えない大人ばかりが量産された社会ってどうなんでしょうか。強い不安を感じます。

殴るストレス

閑話休題。
殴り合いのストレスになれるステップその1。
「人を殴るストレスに慣れる」
人を殴れなければ殴り合いはできませんが、人を殴ることには抵抗感があります。
したがって殴り合いの前に「人を殴る練習」が必要になります。

僕は日常生活では人は絶対に殴れません。でもボクシングでは思いっきりこれでもかと殴れます。
リングの中と外では心の状態が違うんですよね。僕は人を殴るための感情を獲得しているんです。
そして、指導をしながら感じますが、この感情の濃度がパフォーマンスに大きな差を生みます。
この感情の濃度は目の前で起こることへの没頭度に影響していて、反応速度、バランス、恐怖への鈍感さ、勝機への敏感さなど闘争に必要な能力を強化してくれます。

僕の主観ではありますが、リングに上がる時の感情と日常生活の感情は全く異なります。
日常生活では割と心の中はざわざわとした慌ただしさがあります。
でもリングでは心の中は静まり返ってはいて、その奥にある激しい感情だけを感じます。
なんとなく、スナイパーが戦争で人を狙う時ってこんな感情じゃないかと思っています。

身体的には目の奥が沈むような感覚(目の奥に血が流れていくでもいいかもしれません)があります。頭部や肩が脱力し、それらの重さで皮膚か筋肉が引き伸ばされるような感覚が起こり、足の裏で地面を強く踏む感覚が起こります。これは「思い」と「睨み」により分泌されたホルモンが内部環境に影響して起こっているんじゃないかと思っています。
で、この時の感覚は瞑想の状態と酷似しているんですよ。
スパーリングでは手順を踏んで上記の感覚を引き起こしていきます。

「人を殴る」練習は「ストレスなく人を殴れる感情を獲得する練習」と言い換えることができます。

殴られる練習

ディフェンスの方は「パンチを受ける時の感情を獲得する練習」です。
感情としては「やれるものならやってみろ、倍返しじゃ済まさんぞ」です。
本当に強い選手って殴るだけで異常なストレスがかかります。体が縮こまって本当の力が出せなくなり、強い選手がさらに強く見える悪循環に引きずり込まれます。

殴られる時の感情ってとっても大切なんです。

ボクシングはビデオゲームではない

「ボクシングはビデオゲームではない」これは僕がボクシングを見る時の観念のフィルターです。
股関節理論のさらに深層に位置する枠組みで僕のボクシングの根本を形成する哲学と言えます。

ボクシングはポイントを取り合うビデオゲームではないんです。
ボクシングは相手に意思を伝え命令するコミュニケーションです。

ポイントの取り合いにストレスは感じませんよね。
そんな風にとらえていると強くなれません。
ボクシングの技術だけでは勝てないんです。

大半の人はビデオゲームと同じ感覚でボクシングに取り組んでいるので、「ボクシングの根本はコミュニケーションである」ことを理解していれば、差をつけられます。
周りはビデオゲームの練習をしているんですからね。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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