【フルエクステンション】ウェイトリフティングから学ぶ爆発力の神髄【パワーポジション】

運動理論
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ただ重いものを持ち上げているだけのように見えますが、奥の深い競技です。
最初のスタートポジションからバーベルを持ち上げて制止するまで6局面に分かれています。

今回はウェイトリフティングの深淵からスポーツの神髄に触れてみます。

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特に重要なポジション(姿勢)

ウェイトリフティングの局面全てを解説することはしません。
僕の専門であるボクシングに応用でき、特に重要だと僕が考えていることついてお話します。

まずはパワーポジションです。
僕が「パワーポジション」という言葉を知ることになったきっかけもウェイトリフティングです。

パワーポジション 「股関節に力をタメる姿勢」

左図のようにパワーポジションは股関節を曲げた姿勢のことを指します。

股関節を屈曲することで腿の裏にあるハムストリングスと臀部の大殿筋を伸張します。

人体最大のエネルギーの貯蔵庫である股関節を活性化させる姿勢です。

別の見方をすれば動物的な姿勢です。
パワーポジションにより人間が本来持っている動物の力を引き出せます。

このパワーポジションは骨盤前傾と非常に強い関りがあります。

以下で簡単にパワーポジションにおける骨盤の前後傾の関係性についてみていきます。

上図は思い物を持ち上げる時の骨盤前傾型と後傾型のパワーポジションです。
力を発揮しようとしたときに左のような腰が曲がった老人のような姿勢になってはいませんか?
若くてもこうなる方めちゃくちゃ多いですよ!
この姿勢は股関節の力が発揮しづらくなります。

9割9分はこうなりますが、ごくまれに自然と右になる前傾型の骨格の人がいます。
経験的に50人に一人(もっともっと少ないかも)程度の割合だと個人的には思っています。
骨盤前傾については以下の記事をご参照ください。

それでは二つの姿勢の違いについて復習していきます。

骨盤後傾型の姿勢では前腿が引き延ばされ、逆に裏腿が緩みます
対して前傾型の姿勢は前腿が緩んで裏腿が引き伸ばされます

これが意味することは後傾型は股関節の力が弱まり膝関節の力が活性化され、前傾型は股関節の力が活性化され膝関節が弱まるということです。
そして、後傾型ではそれ以上股関節を伸ばせる可動域がありません。
もしそれ以上伸展しようとすると、股関節は壊れます。
前傾型は骨盤の前傾により生み出した股関節を伸ばす余裕が残されています。

この姿勢がウェイトリフティングのパワーポジションです。
極端な言い方をすればパワーポジションが作れなければ股関節が使えないということです。
とても大切な姿勢なんです。

フルエクステンション 「股関節にタメた力を一気に解放する姿勢」

次にフルエクステンションです。

ごく短い時間なので分かりにくかったかもしれませんが、股関節を伸ばしきる瞬間は股間が前に突き出され身体がのけぞっています。
股関節はここまで伸びるんです。

これが「フルエクステンション(完全伸展)」です。

パワーポジションで股関節を曲げ、股関節筋群を引き伸ばして最大筋力を向上させ、且つ股関節筋群の腱に貯蔵した上半身の位置エネルギーを一気に解放することで、股関節を爆発的に伸展させています。

フルエクステンション(完全伸展)が意味するように、重要なのは「股関節を伸ばしきれる」ということです。
股関節をどれだけ強く伸ばせるかが一つの身体能力の指標となります。

パンチにおいてもそうです。
パワーポジションを作り、フルエクステンションできるか。

パンチにおけるパワーポジションとフルエクステンション

例としてデービス選手を見ていきます。

デービス選手が左ストレートを打った場面です。
右股関節のパワーポジションです。

左を打ちながら右の股関節に乗り込み、右股関節筋群を伸張し活性化します。

その力を使い一気に股関節を絞り込んでフルエクステンション。

股関節が反るように伸び切っているのが分かります。

この場面でも全く同じことが行われます。
左ストレートを打ちながら右股関節を屈曲。

左ストレートの運動エネルギーが右の股関節へ移ります。

右股関節を絞りながらフルエクステンション。

股関節を使い左右のパンチのエネルギーを交換することで、速く強く動くことを実現しています。

パワーポジションを作り、左右の股関節を活性化。

貯蔵したエネルギーを一気に解放し左ストレート。

この場面でもデービス選手の骨盤前傾と背骨の湾曲は崩れません。

並みはずれた腸腰筋のなせる業です。

上図のパンチ全てデービス選手のKOになりました。

デービス選手との比較

いい例ばかりでは分かりにくくいので、比較として僕が現在指導している髙根選手をみていきます。
この画像は初めての練習で僕が一切手を加えていないときのものです。
現在は違います。

骨盤が後傾し背骨のS字カーブが崩れています。

これが髙根選手の普通の姿勢です。

左フックを打つのは左の股関節なので、左の股関節のラインを赤く塗ってみました。

フルエクステンションできていないのが分かります。
股関節を完全伸展できないと打ち終わりも身体がくの字に折れたままになります。

この場面も右の股関節がくの字でフルエクステンションできていません。

二つの姿勢から股関節を上手く伸ばしきれないということが言えます。

何故できないのかについては別の機会にお話しますが、簡単に触れておくと膝です。

パワーポジションを作れるということがそもそもの前提とはなりますが、そこから股関節をフルエクステンションできるということもとても重要なんです。

まとめ

パワーポジションでタメた力をフルエクステンションで一気に解放できなければなりません。

気をつけてほしいのは「背中を反れ」とか、「意識的に股関節を伸ばせ」ということではないことです。
それでは力は出ません。
パワーポジションを習得することがまずは先です。
姿勢がどの関節を活性化するかを決めるからです。

僕の場合は股関節に体重を乗せて

「強い力で脚の根元を絞りこむ」感覚で打っていました。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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