デコピンスタンス

技術
技術運動理論

予備動作をなくして相手に踏み込みを読ませないスタンス、身体の使い方についてです。
その名もデコピンスタンス。

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デコピン

まず初めにデコピンの由来について簡単に説明します。
デコピンというのはご存知とは思いますが、復習すると指が伸びようとする力を腕の腱にタメて、その力を一気に解放して指を加速させる方法のことです。

中指を伸ばそうとする力を親指が抑え込むので、指の腱と筋繊維が引き伸ばされてエネルギーが貯蔵されます。

親指を離すと、貯蔵されたエネルギーにより腱と筋繊維が縮み、指を加速させます。

親指を使わず中指の筋力だけで行う同じ動作の何倍も速く、そして予備動作なく高速で中指を振り出せます。

この理屈を応用しボクシングの構え、立ち方に組み込むのがデコピンスタンスです。

簡単な模式図です。
丸が上半身で2本の棒が足です。

骨盤が前傾した状態で後ろ足(かかと)に体重をかけると上半身の重みに押されて骨盤がさらに前傾し臀部と裏腿が伸張され、腱にエネルギーが蓄えられます。

その後、前の脚(ストッパー)を少しだけ浮かせて外すと、身体が重力に引かれて後ろ脚を軸に前へ倒れようとします。
また、ストッパーが離れて、デコピンの親指を離した時のように、腱に蓄えたエネルギーが後ろ脚の股関節を伸展させるので、身体が勢いよく推進されます。

これはストッパーは使っていませんが、臀部の伸張反射と右脚を軸に前へ倒れようとする上半身の勢いを利用した踏み込みです。

一端しゃがむように力をタメて踏み込むのではなく、右股関節に乗るだけなので、小さな動作で力が溜められます。
さらに身体が倒れこむ勢いも利用して踏み込むので動作は小さいですが強いジャブが打てます。

相手からすると全体像の変化が少なく踏み込む動作が読みづらいはずです。

やり方

骨盤が前傾していないとこの踏み込みは難しいかもしれません。
骨盤が後傾していると裏腿と臀部が緩んで筋力が弱まってしまいます。
また、後傾した状態で力を溜タメようとすると上半身の重みで、骨盤の後ろが押されてさらに後傾してしまうので、身体重心の位置が後ろになり、後ろに倒れてしまいます。
前へ向かって倒れる勢いがつけられません。

こんな風に骨盤が後傾した姿勢で力をタメようとすると自然と膝もまがるので、股関節に乗ろうにも乗れません。

もしもこの姿勢で力をタメようとすると膝を曲げて軽くしゃがむような動作が必要になるので相手に読まれます。

今回は僕の場合のデコピンスタンスの踏み込みを解説してみます。

まずは後ろ脚の踵に荷重して臀部と裏腿を伸張します。
左脚は骨盤側を向かせて骨格で右股関節が伸展する力を制止します。

大切なのは「股関節に乗る」ことです。
脚を伸ばして踵に荷重すると股関節に乗りやすいです。

股関節に乗ったのを感じたらそのまま左脚(ストッパー)を少しだけ浮かせて、『速いジャブを打つ』という意識します。

スタンスを作ったら特に地面を蹴ろうと意識する必要はありません。
デコピンなので、勝手に踏み込めます。
その分パンチに集中です。

要約すると以下。

1.デコピンスタンスを作る
2.留め具の左足を外す
3.同時に『速いジャブを打つ』意識をする

これで踏み込みます。
注意点は臀部や裏腿を使おうと意識しないことです。
デコピンスタンスを作ったら後は「速くジャブを打とう」と意識するだけです。

まとめ

一度屈んで力をタメてはダメ。
相手に読まれる原因です。

デコピンスタンスを作ることができれば面白いようにジャブが当てられます。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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