【急がば】初心者がスポーツで意識すること【回れ】

初心者向け
初心者向け

今回は初心者向けのトレーニングの方法を紹介します。
と言っても特殊なことはしません。
普通にボクシングの練習をするだけです。

少しだけ違うのはゆっくり、そして大きな動作でボクシングをするってことです。
以下はその理由を説明していきます。

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人間には本来運動をする能力が備わっている

幼少期の運動経験

見出しのように人間には本来運動をする能力が備わっています。
厳密には子供の頃の運動経験を通して覚えた身体の使い方です。

少し脱線して子供の頃の運動経験が何故重要なのか、僕なりの考えをお話します。
ゆっくり大袈裟に動く理由にも繋がっていきます。

子供は当然ながら運動の素人です。
どうやって動けばいいのかは知りません。
無意識の試行錯誤によって身体の使い方を覚えます。
この時、子供は運動の理屈は一切考えず自分の「気持ちがいい」という感覚に従って運動を学習していきます。
取捨選択により効率的な動きが身についていきます。
そしてそれはとても自然な動きになります。

「気持ちがいい」と言うのは「こうすると速く走れる」とか「高く跳べる」といったコツのことです。
しかし、子供はそれを言語化する能力がありません。
なので、気持ちのいい動きの感覚に素直に従います。
そして、これが大人と子供の違いであり運動の学習における大きな隔たりとなります。
※感覚と言うのは具体的には運動が成功した時に分泌されるドーパミンによって発生する快の感情のことです。

子供の頃は素直にドーパミンの快の感情に従うので、どんどん運動が上達していきます。
雑念が一切ないので感覚をどんどん深められます。
取捨選択の結果、効率的な運動に収斂していくので、子供の頃に運動経験が多いと自然と体幹を使った動作を覚えることになります。
そうなると日常生活から体幹を使うようになり、腸腰筋などの筋肉が自然と鍛えらてより使いやすくなっていくんですね。

大人になってからもスポーツは上手くなることができると思いますが、大人になると色んな雑念が頭の中に割りこんでしまって、大切な快の感覚を見失ってしまうんです。
既述のように子供と大人の違いはここだと思います。
素直に感覚に従って運動が学習できるかどうか。

子供の頃の運動経験が少ない人は体幹部の運動が苦手で手先足先の運動になりがちです。
体幹部の動かし方を知らないので仕方のないことです。

体幹を使った動作を覚える

ボクシングを始めたばかりも同じで、手先足先の運動になりがちです。
もし最初にその癖がついてしまうと大きな体幹の筋を使えないので、いつまでたっても弱く遅い動作をぎこちなく行なってしまいます。

スポーツ上達のカギは体幹の大きな筋を上手く使えることです。

まずはガードの位置や足の位置などの細部より体幹部の動作を使ったダイナミックな動きを覚えてください。
その方法は大袈裟に動くことです。
たったこれだけです。
「体幹を使おう」と意識すると緊張してしまうので、よくありません。
身体を大きく動かそうとすると自然と体幹の筋群が動員されます。
だからとにかく大袈裟に動く。
そして感覚に集中して下さい。
腕が高速で振り出された時や身体が弾んでるときに感じる快感、誰しもが知っている「キタ!」って感覚があると思います。
この感覚が大切です。

パンチを打つ時はこじんまりと縮こまって打たずに、大胆に腕を振り回すように打ってください。
注意点は強く速く打とうとか、細部は気にしないことです。
この時に細部を気ににしてしまったり、強く打とうとか速く打とうという意識が強すぎると体幹部が緊張してしまって、手先足先の動きになってしまいます。

フットワークもそうです。
無駄に大きく飛び跳ねれば自然ととケツと裏腿の使えます。

傍から見ると馬鹿みたいに見えても急がず焦らず大袈裟な動作で練習しましょう。
体幹部の操作を覚えればスポーツの上達に加速します。
少しづつ動作を小さくしていけばいいんです。

急がず焦らずゆっくりと

次に体の連動から見た側面を解説します。
これがゆっくりとした動作でやる理由です。

運動連鎖という現象について以前解説しました。
簡単におさらいします。
運動連鎖とは地面反力を体幹を介して、拳などの末端へ伝え、加速させていく現象のことです。
順序良く関節を動かしていくことが肝心です。

どうして段々加速していくかを簡単に説明すると、全身を動かしていた運動量をブレーキ効果によって、各関節に移動させていくからです。
質量の大きい体幹を動かしていた運動量はそのままで、運動させる部位の質量がどんどん小さくなっていくので、代わりに速度がどんどん上がっていきます。
これがスポーツにおける末端の加速現象をごく簡単に抽象化したものです。

ただし、これは意識的にこうなるのではありません。
トップアスリートは無意識にこれを上手く行っています。
だから運動連鎖は絶対に最初は意識しないでください。
ゆっくり動けば勝手に運動連鎖になっています。

僕は歩いたり走ったりできる人であれば運動連鎖は自然と起こせるはずだと考えています。
そもそも上手く運動連鎖ができないと走ったり歩いたりできません。
じゃあなんでボクシングを始めたばかりの人がこれをミスするかと言うと、それは慌てているからです。
ボクシングを始めたばかりの時に、気が急いてしまって慌てた動作を覚えてしまうと最悪です。
ずっと連動をミスしたまま遅くて弱々しい動きになってしまいます。
成長を急ぐあまり雑な動作を繰り返して覚えてしまうというのが、いつまでたっても成長しない人の典型だと思います。

例えば速く強く打ちたいあまり慌ててパンチを出そうとして、上半身の運動量を拳に移しきる前に拳が動き出してしまう。
地面を蹴った力で上半身と拳が一緒に動いているので、当然拳のスピードが出ません。
だから、初めはゆっくりとやってください。
そうすれば自然と身体は連動して運動連鎖が起こせるはずです。

注意点があります。
ゆっくりやるといってもゆっくり腕を伸ばすということではありません。
それは力みに繋がってしまいます。
体幹をゆっくり大きく動かして腕は脱力してください。

慌てず脱力して普通にやるということです。

股関節を臀部と裏腿で伸展させる感覚を掴めるまでは脚からパンチを打つことを意識するのではなく、「ゆっくり骨盤を回す」意識をしてください。
膝を曲げ過ぎていなければ自然と股関節で地面を蹴れます。

先入観に囚われるな

ゆっくりと大袈裟にやるのは悪いことという先入観に囚われている人も多いと思います。
だけど最初はゆっくりと大袈裟にやりましょう。

速く強く動けることは大切ですが、その意識が強すぎると手先足先の運動になってしまいます。
そしてその動作は実際には弱く遅いことがほとんどです。

まずはゆっくりと大袈裟な動作で体幹の使い方と身体の連動のさせ方を覚えてください。
急がば回れです。

まとめ

ゆっくりと大袈裟にやって股関節で骨盤を回す動作が身に着いたら「手から打つ」意識でも勝手に骨盤が回るようになります。

パンチを打とうとすると勝手に体幹が動くような条件付けができれば、「手で打つ」意識でしっかりと
パンチを打てます。

手から打つ意識は村田諒太選手がいっていましたよね。
実はこれに近い意識が僕にもあります。

簡単にその重要性を説明すると、手で打つ意識だと体幹を意識しせず無意識で打てることです。
最初にきちんとした姿勢を作ることができれば、体幹は無意識下で動いてくれます。
力みの排除に繋がります。

勿論これは股関節でパンチが打てる技術があることが前提の感覚です。
この理屈と手で打つ意識を深めた感覚を今度解説しようと思います。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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