比嘉大吾 vs. 堤聖也 二人を良く知る俺が解説

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今日、正式に発表された試合です。
ボクシングファンやボクシングをしている方なら比嘉大吾選手(以下大吾)については知っていると思いますが、堤聖也選手(以後堤)については知らないと思います。

僕はボクシングを始めた6年前から大吾とはずっと一緒に練習していて、今でも週二回以上一緒に練習しています。
ご存知の方もいるかもしれませんが、堤聖也もまた角海老宝石ジムで一緒に練習しています。
僕が角海老宝石ジムに移籍する前から何度も一緒に練習をしたことがあります。

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複雑な心境

僕としては個人的に二人とも選手としても人間としても好きなので優劣をつけてほしくないというか、かなり複雑な心境なんですよね。
僕の方が年上なんですけど、アマチュアも含めるとボクシングのキャリアは自体は二人の方が長いんですよ。
多分僕の1.5倍くらいやっていると思います。
なのでボクシングに関しては先輩面はしづらい部分はあります。
大吾に関しては結果も僕より遥かに出していますからね。

でも二人とも人懐っこくて憎めない奴らで、ボクシングは僕の方が短いとは言え僕の後輩みたいな感じなんです。
だからこそ二人の試合は複雑な心境です。

この二人は実は友達同士でもあるんです。
時々一緒にご飯とか行っていました。

比嘉大吾について

大吾について簡単に紹介すると戦績は16勝(16KO)1敗。
判定は経験したことありません。
世界ランキングWBC8位、WBA9位の世界ランカーです。

フライ級の防衛戦で体重超過をしてしまい、2年間も謹慎していました。
その間にジムを移籍し、一度は別々に練習していた野木トレーナーと再スタートを切っています。
最近は一日に2度のハードワークをこなしてフライ級タイトルを失う前以上に強くなっていると思います。
スタミナに関しては90%くらいまで戻っていますし、階級を上げて減量から解放されたことでフライ級の時以上に動けます。

ボクシングファンの懸念と言うか疑いはきっと「一気に2階級も上げてパンチ力と耐久力は大丈夫か?」だと思います。
正直に言うと大吾はフライ級の頃からフェザー級やスーパーフェザー級と長いラウンドのスパーリングを普通にしていたので、僕はこの辺はあまり心配していないんですよね。
野木トレーナーのフィジカルトレーニングも順調で僕とトレーニングの内容自体はほとんど変わりません。

そしてですが、大吾はパンチ力とかコンビネーション、スタミナに注目されてばかりですが、それだけじゃないんです。
僕は大吾とマスボクシングを何年もしてきたし、今でもよくやっています。
だから大吾のパンチ力以外の凄い部分も良く知っているんです。
率直に言うと大吾のパワーやスタミナ、コンビネーション以上に凄いと感じています。
これに関しては大吾の戦略にも関わってくるかもしれないので、試合が終わってからお話しようかと思います。

いちボクサーとして、そしていちボクシングファンとして大吾に懸念があるとすれば、試合勘が鈍っていないかどうかです。
一応今年の2月に復帰戦はしていますが本気の調整ではなかったし、ご覧になった方はご存知だと思いますが、世界戦みたいな緊張感はありませんでした。

堤聖也について

フォローお願いします。

今度は堤を紹介します。
国内のランキングを争っている選手なので、ハードコアボクシングファンでもない限りご存知ないと思います。

僕は角海老宝石ジムのランカーの中では一番王者に近いんじゃないかと思っている選手です。
戦績は5勝4KO1分。
KO率通りパンチもあるし、何より僕が驚いたのはスタミナですね。
土曜の階段トレーニングの時に根岸森林公園の外周を競争することがあるんですが、僕はこの走りでほとんど負けたことがないんです。
だけど堤との初めての競争で負けました。
めちゃくちゃ長距離速いです堤。

そして頭もいいし、負けん気も強い。
超練習熱心です。
ボクシングスタイルはオールラウンダーでなんでもできます。
スイッチヒッターで左右どちらでも戦える稀有な選手です。
スイッチは練習でできる選手は沢山います。
僕もスパーリングならサウスポーでも普通にできます。
だけど、試合の緊張感でやるのは自信がありません。
不安です。
堤はそれができる技術とメンタルがあります。

現在日本ランキングは13位でプロではたったの6戦しかしていません。
2階級下とは言え元世界王者、世界ランカーの大吾からすればかなりの格下です。

アマチュア時代の因縁

堤はアンダードッグとは言え、アマチュア時代には大吾に2連勝しています。
大吾もネットのニュースで、

『相手によって対応してきたり、ラウンドによって変えたりする選手です。相手の嫌なことを徹底してやってくる? そういうところが強いと思うので、嫌がることをどっちがやるかですね』

と言っているようにお互いの手の内は知り尽くしています。
堤はアマチュア時代に勝っているので勝ち方を知っていて勝つ自信もあると思います。
でないと全KOの元世界王者との試合は受けません。

僕はこの試合で堤は頭がいいなあと思いました。
ハードパンチャー中嶋選手が嫌がる戦い方を徹底していて、結果は引き分けでしたが僕は勝ちだと思ったほどです。

下の山中慎介杯の試合の予選を見てもらえると分かると思いますが、中嶋選手は半端ないハードパンチャーです。
ミスしたら終わりの選手を相手に最後まで気を抜かず戦略を遂行しました。
僕はこの試合は堤が中嶋選手のパンチを封じ込めて、要所でポイントを抑えていたように見えたんです。

友達対決

僕は友達とは試合はしたことはありませんし、想像もしたくもありません。
良く知っている選手はあまり殴りたくないし殴られてたくありません。
高校時代からの友人ならなおさらやりたくないですね。

優劣をつけるとお互いの関係に影響しそうで嫌だし、思い切り友達を殴るイメージができません。
ダウンを奪った後に容赦なく畳みかけるのを想像するのも嫌(試合ならやるけど)です。

この試合を受けただけでも二人ともすごいなあと思います。

大湾琉人

同じ試合に大湾琉人(おおわんりゅうと)も同じ日に試合をします。
相手は岸根知也選手です。

琉人は精神的な波があるんですが、野木トレーナーも僕も認める選手です。
アホそうに見えてボクシングIQ高いし、タイミングを読ませない緩急とかバランスが崩れないスタンス、筋力の発揮の仕方とかパンチやフットワーク、カウンターの連動(ボクシング以外は上手くないけど)などなどボクシングの本質的な技術を持っています。
僕は琉人から本当に色んなことを学ぶんです。
「なるほどなー、こいつはこんな風に打つからパンチが見えないのかー」とか「こんな風にカウンターを狙っているのかー」とかですね。

フォローお願いします。

僕と一緒に3選手の試合を会場で観戦しましょう!

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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コメント

  1. KOKO より:

    試合決定の報が出てから、ファンの間では関心が高い試合ですね。どこのメディアよりも興味深い、近親者しか分からない情報をこのように掲載していただき、楽しく読んでいます!ありがとうございます!

    長濱さんは複雑な心境でしょうが、ただのファンの自分は試合がますます楽しみになりました。

    • 彼らはプロボクサーなので僕の心境よりKOKOさんの期待のほうが嬉しいはずです!
      いつもコメントありがとうございます。
      彼らにも伝えておきます。

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