今回は実際に僕が経たカウンターの練習方法について解説してみます。
初心者と題にはありますが少しボクシングができるようになってきて、技術的なレベルアップを考えている方が対象の記事です。
ブロッキング、スリッピングなど基本的なディフェンスを『ある程度落ち着いて』できることを前提としています。
最初に結論から言ってしまうと、カウンターを狙う上で重要な点から言ってしまうとそれは『避ける→打つ』のリズムです。
カウンターを覚えるのって難しいですよね。
一つはパンチに向かっていくのが怖いというのが原因に挙げられます。
ただ人間はストレスには少しづつ対応していけます。
今、カウンターが怖いからといって永遠に怖いということはありません。
少しづつ脳をカウンターへ慣れさせる
人間は急な変化には驚いて拒否反応を示してしまいます。
分かりやすい例が消費税です。
気がつけば段階を経て10%ですが、大きな拒否反応は起こっていません。
これは人間の脳の仕組みを逆手に取った手法を日本政府が実践しているからです。
話を戻すと人間は急に大きなストレスをかけると、拒否反応を示してしまいます。
これが不要な力みや表情の変化に繋がってしまい、動作の速さや強さを損ねてしまったり、相手にカウンターを読まれる原因になってしまいます。
カウンターを上達させる上で大切なことは、カウンターを当てる為に重要なポイントを少しづつ段階を経て体に慣れさせていくことです。
いきなり強いカウンターや高度なカウンターはできません。
まずは『ジャブ』へ『ジャブ』のカウンター
それでは始めていきます。
僕は初めの頃は『ジャブ』に『ジャブ』のカウンターを合わせる練習をしました。
ジャブにジャブを狙う理由
僕の経験から得た知識にはなりますが、一番簡単なことで得られたノウハウを横へ展開していくのが上達の近道になります。
ジャブで得たノウハウをもっと強烈なカウンターや高度なカウンターへ応用していきます。
そして、あと一つの理由は既述のように最もストレスの少ない方法で、カウンターという初めの内は恐怖を伴う技術への耐性をつけるためです。
ジャブを放つストレスは他のどのパンチよりも小さいので、力みや表情の変化に繋がりにくく相手に読まれにくいというのも理由に挙げられます。
また、基本的にボクシングはジャブを沢山放つので試行錯誤の回数が多いのも挙げることができます。
カウンターの第一歩はジャブに対するジャブのカウンターから始めます。
リズムを覚える
ある程度スパーリングを重ねた人なら、漠然とやっていてもジャブにジャブのカウンターを合わせることは簡単にできると思います。
でも注意点があります。
これを意識するかしないかで他のカウンターの習得に差が出ます。
それはカウンターのリズムを覚えることです。
僕は最初は簡単な左のカウンターを練習から始めて右も練習するようになりました。
しかしカウンターが当たららないんですよ。
ジャブの時と同じように避けるところまではできるんですが、肝心のカウンターは躱されるんです。
何故だ何故だと悩んで気がついたことがあります。
ただ「避けて打つ」だけではダメなんです。
パンチはリズムが大切です。
そしてこのカウンターの当たるリズムはカウンターに限らずあらゆるパンチに応用でるんです。
具体的には「避ける→打つ」の動作の間隔が大切で、これを短くするとパンチが当たるようになります。
この感覚の短さの覚え方が「動作のリズム」になります。
リズムで覚えると『技術の再現性』が高まります。
再現性については以下の記事をご参照ください。
ジャブのカウンターが当たった時のリズムを覚えるようにしてください。
そのリズムでないと他のカウンターもなかなか当たりません。
そしてここが重要な点で、右のカウンターを習得しようとしたときにこのリズムを意識できていないと当てるのが難しくなりますし、当たらない理由が分からなくて成長が停滞します。
※相手の実力次第では漠然と打っても当たりますが。
ジムで実践しながらから確かめてみてほしいですが、ジャブのカウンターが当たる時の「避ける→打つ」のリズムは動作の繋ぎの短い「タタン」というリズムになると思います。
初めの内は「タン・タン」と動作が切れ切れになることが多いので、注意してください。
熟練してくると「避ける→打つ(ター)」みたいに音のつなぎ目がなくなっていきます。
僕はこれがパンチ当てるための本質的な技術だと考えているので是非覚えてみてください。
速さ重視
初めの内はガツンという衝撃が欲しいと思いますが、速さ重視です。
軽くでも当てられるようになるとコツをつかんでガツンと当てられるようになります。
慌てて欲張ると全て台無しです。
がむしゃらなエンジンを唸らせるような速さは力みや表情の変化に繋がり相手に読まれて防がれます。
ボクシングにおいては脱力した丁寧で無駄のない動きが最速の動作です。
初めの内はとにかく力を抜いて速さ重視です。
続いてカウンターの打ち方を紹介します。
後ろに引いて打つ
相手のジャブに対して頭を後ろに引いてディフェンスしカウンターします。
あまり姿勢を変えずに打てるので自然でやりやすいカウンターだと思います。
さらに、このディフェンスの利点はスリッピングやダッキングと違って距離で躱すので、フックでもアッパーでもどのパンチでも躱すことができることです
ただ後ろに引くだけでもパンチは躱せますが、さらに上を目指すなら顔面の芯を相手に見せないように顔を引くことです。
左側にいるメイウェザー選手は後ろに引いて相手のジャブを躱しています。
この時相手を斜めに見ています。
顔面の芯はコーナーポスト側に向いていて、マルケス選手のジャブに対して、隠されています。
このディフェンスの動作の詳細は以下のリンクを見てください。
この場面もアルバレス選手は顔の軸をゴロフキン選手のジャブから隠しています。
顔の芯は奥の客席を向いています。
ブロッキング(パーリー)して打つ
相手のジャブをブロッキング(パーリー)して打ちます。
とても大切なディフェンスで、他のディフェンスと比べると難易度は低いのでやりやすいと思います。
相手のパンチを受け流したり、弾いたり、受け止めたりしながら相手のガードが空いた瞬間を狙います。
相手のジャブが強いとブロッキングでカウンターするのが難しいという側面があります。
スリップして打つ
相手のジャブやストレートを左右に躱すのがスリッピングです。
これが一番難易度高いかと思います。
理由は初めの内は小さく頭だけ動かそうとしても力が入ってしまって全身が大きく動いてしまうからです。
コツとしては力を抜いて相手のパンチに対して落下するように避けることです。
そうすることで力を溜められるので、次の動作が速くなります。
ジャブでカウンターできたら右
ジャブに対してジャブをカウンターできるようになったら右で狙います。
肝心なのはジャブのカウンターが当たるリズムを再現することです。
しかしながら右のパンチでジャブのカウンターのリズムを再現するのは難しいので試行錯誤が必要です。
右のカウンターを強く打つポイントとしては、既述のように避けながら力を抜いて落下して下半身に力を溜めることです。
例)スリップカウンター
ブロッキングやスウェイバックなど色んなディフェンスからのカウンターがありますが、スリップカウンターを例にします。
相手のパンチが来るのを素早く察知。
避けながら力を溜める。
同時に二つのことをします。
落下しながら下半身に力を溜めています。
足に力みがあるとこれはできません。
右のカウンターは相手の動きを読んだり、パンチが来るのを察知しなければならないので難易度が高い技術です。
難易度は高めですが以下の記事のように避ける動作と下半身の力を溜める動作を同時に行えると高速ボクシングができます。
イメートレーニング
カウンターで大切なのはリズムです。
リズムは鏡の前で練習できます。
「避ける→打つ(タタン)」を練習します。
「避ける→打つ(ター)」になると多分誰にでも当てることができると思います。
反復して無意識でできるまで脳のニューロンに刻み込みましょう。
まとめ
カウンターはリズムが大切になります。
ストレスの大きな右のカウンターは力みなどにつながり、相手に読まれる原因になるのでまずはジャブにジャブを合わせる練習から始めるのが効率的です。
同じリズムで右を打てると右のカウンターも当たるようになります。
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