勝負における辛抱強さの重要性

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ボクシングを競技としてやっている場合でもファンとして楽しむ場合でも、選手を評価する上でとても重要なことがあります。

それは忍耐力です。
辛抱強さとか我慢強さとか色んな言い方ができます。

今回は僕が勝負においてとても重要だと感じるこの辛抱強さについてお話します。
どんなに優れた能力があろうとも、どんなに優れた頭脳があろうとも、12ラウンド戦うボクシングにおいては辛抱強さが伴っていなければそれは宝の持ち腐れだとすら思います。

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敵を分析する

4回戦でその日戦うまで相手がどんな選手か分からないということでもなければ、普通は相手と自分の強みは分析できるはずです。

仮に4回戦で初めて見る相手と戦うとしても、1Rが終われば大体の相手のスタイルは分かってくるはずです(あえて隠す頭のいい選手もいるけど)。

勝負では相手の強みを避け、相手の弱みに自分の強みをぶつけていきます。
これはボクシングに限らず勝利の鉄則です。

技術で勝てないなら腕力で、腕力で勝てないなら頭脳で。
自分の強みを相手の弱みにぶつけて、相手の戦略の幹をグラグラにしてやるんです。

相手の土俵で勝負しない

逆も然りです。
相手の土俵では絶対に戦ってはいけません。
その為には、計画が必要になります。

試合の前に相手が分析できるのであれば、相手の弱みに自分の強みをぶつけていく計画を立てます。

試合は計画を実行する場所です。
当然計画なので予め「こうやる」と決めておいたことを実行します。
※勿論、計画は上手くいくばかりではないので、上手くいかなかった時の計画も用意しておく必要はあります。

例えばリーチの長い相手の懐に入るのは大変です。
実際に戦ってみると想像以上にパンチが強く、警戒して思うように近づけないこともあります。
僕の言う辛抱強さとは、ここですぐに戦略を放棄せず、戦略を遂行できる能力のことです。

予めロングレンジで勝負にならないことが分かっているのなら、クロスレンジで戦うしか勝機はありません。
相手も必死です。
最初上手くいかないなんてことは当たり前です。
上手くいかないからといって自分の土俵へ引き込むための計画放棄してしまえば、相手の土俵で戦わざるを得ません。

だからこそ、上手くいかない状況で辛抱強く計画していたことを遂行し続けることが必要になります。
耐えて耐えて、後半相手が疲れてきたところで報われるなんてこともザラにこともあります。

攻撃の衝動を抑える

もっと細かく分解すると、パンチを打ちたいという衝動を抑えることも重要な辛抱強さです。
当てたい気持ちが先走ってしまい、当たらない距離でパンチを振り回す。
当然当たる理由がないパンチは空振りします。
そして、「パンチが当たらない…」とパニックになればなるほど攻撃は軽はずみになって、相手に狙えわれてしまいます(経験談)。
気が急いて、パンチを当てるための距離を潰す作業を怠っているから当たらないんです。

他にも序盤の相手の手の内が分かる前にカウンターを狙って、そこを狙われることもあります。
本来はディフェンスに集中しなければならない場面で、パンチを打ちたい衝動に駆られて失敗するということはよくあることです(体験談)。

自分の距離にならなくても、先に攻撃を受けても「慌てない、焦らない」まずは自分の距離にする作業に集中しなければなりません。
ここで必要なのは衝動を抑えるための辛抱強さです。

以下辛抱強さを学んだ試合を紹介します。

WBSSでのノニト・ドネア

ドネア選手は上手くいかないと強引になってしまうことがありましたが、WBSSでの戦略遂行能力には僕は驚かされました。

どの試合でもポイントでは劣勢だったと思います。
それでも虎視眈々と一発を狙い続けていました。

ライアン・バーネット戦

この試合はバーネット選手のスピードと軽快なフットワーク、インサイドでの戦術に攪乱されて試合を支配できませんでした。

ここで「くそ!捕まえられない、ペースアップだ」と焦ってしまったり、「どうしようどうしよう」と考えてしまうとそれが隙に繋がって相手にペースを持っていかれることがあります。

しかし、ドネア選手は焦らず急がず。
まるで最後に勝つことが分かっているかのように落ち着いてプレッシャーをかけていきました。
いきなりパンチを狙わらず、距離を潰す作業を徹底しロープに詰めたら大迫力の連打。
ドネア選手のパワーなので、バーネット選手はこの戦術に少しづつ余裕を失っているように見えました。

ドネア選手は強いパンチを受けましたが、淡々と戦略を遂行していきました。
これこそキャリアのなせる忍耐力、戦略遂行能力です。

RYAN BURNETT v NONITO DONAIRE *FULL FIGHT HD* (WBSS, GLASGOW) – INJURY HEARTBREAK FOR BRAVE BURNETT

井上尚弥戦

この試合でも2ラウンドに左フックを当てるまではクリーンヒットを奪われて、距離を支配されていましたが、プレッシャーをかけ続けて井上選手を下がらせます。

もしドネア選手がこの攻撃に怯んでプレッシャーを緩めてしまえば、井上選手のスピードにペースを奪われてしまったと思います。
いつものKOパターンに持ち込まれていたはずです。
強いパンチを受けたからといって怯んでしまえばKO負けしていたと思います。

2ラウンドも井上選手に打ち負けますが、ここでも我慢して下がらずカウンターを狙います。
そして、井上選手がドネア選手のパワーを警戒してロープまで下がったところで、すかさず距離を詰めて左フックを打ち込み大きなダメージを与えました。

僕はこの辛抱強さには本当に驚かされました。
やっぱりレジェンドボクサーは苦境に慣れています。
他の井上選手が戦ってきたボクサーとはキャリアが違いました。

Nonito Donaire vs Naoya Inoue

カネロ・アルバレス

コバレフ戦

2階級も大きい強打者(一時は地球最悪のパンチャーとも)でジャブと右ストレートを得意としているコバレフ選手とのロングレンジでの打ち合いは分が悪いと予想していたんだと思いますが、アルバレス選手の辛抱強さは半端じゃありませんでした。

リーチのあるコバレフ選手に長いリードハンドで前進を阻まれ、ガードの上を小突かれ続けます。
しかしアルバレス選手はいらついて(打ち返したい衝動に駆られて)強引になることはなく、冷静で丁寧なブロッキングでコバレフ選手の攻撃を防ぎプレッシャーをかけていきます。

簡単そうにやっていますが、高難易度のすご技です。
コバレフ選手の強打に耐えながら、一見すると手数が出せず不利な状況で冷静を保っているんです。
『序盤はくれてやる、だけど最後に勝つのは俺だ』という意思を感じる戦い方でした。
12ラウンドを見据えた戦略がないとこれはできません。
1ラウンドの良し悪し、瞬間的な攻防の良し悪しで一喜一憂しません。
最終的なゴールである『12ラウンドで勝つ』に集中した戦い方です。

アルバレス選手は焦らず急がず、じっくりとコバレフ選手を自分の土俵へ引きずり込みました。

Pelea canelo vs sergey kovaled 2 Noviembre 2019

まとめ

予め用意した自分の土俵へ引きずり込むという、12ラウンドの計画を立てて戦う。
最初に上手くいかないからといって、計画にないことを実行すると逆に相手の土俵で戦うことになってしまう。

パンチを受けて、打ち返したいという衝動に駆られて打ち返したり、自分の距離でもないのに慌てて打ちにいってはいけない。
墓穴を掘る。

まずは自分の土俵まで相手をじっくりと追い込む。
自分の土俵へ引きずり込んだら資源を一気に投入して勝負を決する。

辛抱しなければならないところで辛抱できない選手は勝てない。

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この記事を書いた人
ストイック長濱

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
WBC世界同級34位
WBO-AP同級3位
角海老宝石ジム所属

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