冨田大樹 vs. 堀川謙一 解説 三迫ジム強い

選手分析
選手分析

堀川選手は三迫ジムへ練習へ行ったときに少しだけお話したことがります。
6回戦でしたが、褒めてもらえたのを覚えています。
堀川選手は覚えていないかも。

そして40歳での王座獲得みたいです。
堀川選手はなんと58戦。
トンデモないですね。
昔のメキシコ人かよってくらい試合してます。

堀川選手が所属する三迫ジムは快進撃が続いています。
この間も永田選手が番狂わせで王座獲得しました。

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解説

堀川選手の試合は何度か直接見たことがありますが、第一印象は「上手いなあ」です。今回の試合を見て簡単に僕が感じたことを書いていきます。

チャンピオンの距離感

堀川選手は不用意に近づくことはなく、絶妙な距離を保っていました。
相手が下がればすぐに一歩下がって、そしてここからが重要で、下がりっぱなしにならずすぐに元の位置へすぐに戻っていきます。
これがあるから冨田選手はプレッシャーを思うようにかけられなかったんじゃないかな?とも思います。

チャンピオンのリズムとタイミング

この距離で相手をひきつけて、打ち終わりに踏み込んでいったり。
距離の詰め方がかなり上手かった。
無駄のない速さで慌ただしさがなく、相手のパンチに合わせてスッと中へ入ります。
スピードだけ速くてもバタバタすると相手の本能の注意が向いてしまって、対応されますが、自然体で力が抜けているので本能の警報が鳴らないので、気がつきにくいんだと思います。

次に攻撃のタイミングです。
避けた後の動作が「タンタン」ではなく「タタン」ですね。
このリズムは対処しにくいんです。
力が抜けていないとできません。

堀川選手と冨田選手が対象的で分かりやすいかもしれません。
瞬発力では冨田選手が勝っていますが、動きが「カクッ、カクッ」と断続しています。
リズムも「タンタン」になっています。

細かい緩急(リズムの変化)

堀川選手は瞬発力という意味で一瞬尾スピードは冨田選手に劣ってはいたように見えましたが、全体的には無駄のない速さで上回っていました。
そして、そのリズムがさらに細かく変化します。
これは本当にベテランの味と言うか、熟練した技ですね。

冨田選手のリズムは『タ(力を込める)ッタン(打つ)・タ(力を込める)ッタン(打つ)』です。
簡単に言うとモーションが同じです。
トップスピードはありますが、一定のリズムなので最初の『タッ』で読まれているように見えました。
カウンターも『タン(避ける)タン(打つ)』なので、最初の『タン』で堀川選手に対処されていました。

堀川選手は既述のようにトップスピードは大きくありませんが、リズムの変化が巧みです。
スピードの落差が大きいわけではないので、大きな緩急の変化はありませんが、リズムを『微妙』に変化させて相手の意表を突きます。

『タッタッタタ』とかとっても細かい緩急が見られます。
僕の場合はどちらかとトップスピードを活かしたイナミックな緩急ですが、堀川選手のこの細かいリズムの変化も面白いなと思いました。

チャンピオンの多彩さ

リズムの変化に加えて、堀川選手は攻めてが多彩でした。
ワンツーやツーワン、おびき寄せてカウンターで。
ボディーを突きさしたり。
危険を感じたら体を寄せて相手のパンチを封じたり。

リズムを小刻みに変化させ、多彩な技で冨田選手に攻撃を読ませませんでした。
そして、慌てず急がず少しづつダメージを蓄積させて後半にKO。

ベテランらしい戦い方だなと思いました。

まとめ

堀川選手の細かいリズムの変化、当たるタイミングや多彩な攻撃。
ベテランの技術が若くスピードに勝る冨田選手の良さを封じた。
試合中の冷静さが豊富な経験を物語っていた。

僕と同じ階級の小原選手も三迫なので戦うなら不気味ですね。
三迫ジムの選手は要注意だ。

LF級

ちなみに僕と同じジムの佐藤剛と戦って日本タイトルを獲得した矢吹選手も強いですね。
堀川選手とは少しタイプが違っていて、勝ちの11勝は全部KOっているハードパンチャーです。

世界チャンピオンには京口選手と寺地選手がいます。

コロナの影響で海外から選手を呼べないみたいなので、もしかしたら日本人対決があるかもしれませんね。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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