ガーボンタ・デービス フィジカル徹底分析

トレーニング
トレーニング 技術 選手分析

デービス選手って強いですよね。
半端ないスピードとパワー。

僕はこれを手に入れたい。

さて始めます。
気持ち悪いくらいに細部まで分析してデービス選手のフィジカル手に入れてやりますわ!

スポンサーリンク

強靭な腸腰筋

黒人選手ってプリケツですよね。
そしてみぞおちが突き出しています。
黒人のスプリンターなんてみんなこれです。

デービス選手もプリケツです。

練習のワンシーンですが、お尻がプリプリです。

黄色人種は割とひらぺったいお尻をしていると思います。

このプリケツには理由があります。
プリケツが何を意味しているかというと。
腸腰筋が強く収縮しているってことです。

左図は腸腰筋と分類される筋です。脊椎のみぞおち部分から腰にかけて広がり、足の付け根に繋がっています。

腿を上げたりする動作を行う筋肉で、黒人はこの腸腰筋が黄色人種の3倍大きいとか言われています!

だから短距離が爆速なんです。

骨格筋-主動筋と拮抗筋のバランス

腸腰筋についてお話する前にまずは前提となる知識です。

骨格筋は主動筋と拮抗筋という対の関係によりバランスを取っています。
この二つの筋が協調して関節を動かす働きをしているんですが、この時『主動筋は対になる拮抗筋に張力をかけます』。
この部分が肝心です。

張力(ちょうりょく、英語:tension)という言葉は、一般には単に引っ張る力というような意味で用いられる言葉であるが、物理学においては、物体のある平面において、引っ張り合う垂直応力として定義されている。

Wikipedia

張力がかかるとは簡単に言うと引っ張られるってことです。
主動筋が収縮すると拮抗筋の腱に弾性エネルギーが貯蔵されるんです!

ハムストリングです。
骨盤の裏側の下部と脛骨の裏に腱が付着しています。

例えば、股関節を屈曲冴える為に腸腰筋を収縮させるとハムストリングスが伸張されて、腱に弾性エネルギーが貯蔵されます。

白くて骨にくっついているのが腱です。
腱はゴムのような性質のある強靭な組織です。

こんな風にゴムが対になった関係性があるから人間の体はバネの働きができるんです。
ロマチェンコ vs. リナレスの記事でもやりましたが、人間の動作原理はバネです。
この制約、この条件をどう活用するかが勝利のカギ。

それは、僕の中での一つの答えが腸腰筋とその拮抗筋であるハムストリングスの強化です。


腸腰筋は股関節の屈曲(腿を上げる)ハムストリングスは股関節の伸展(腿を伸ばす)を行います。

ピンク色が腸腰筋です。
腸腰筋が強いとこんな風に腸腰筋の収縮で脊椎が大腿骨側に引き寄せらるので、骨盤が前傾します。

これは腸腰筋の拮抗筋で骨盤の裏側に付着しているハムストリングスに張力がかかった状態です。
既述のようにハムストリングスの役割は股関節の伸展動作です。
つまり、人間の推進力です!

腸腰筋が強いと、バネ(ハムストリングス)にを常に縮めた状態になるので、力を加えると強く身体が弾むんです。

腸腰筋が黄色人種の3倍。
3倍の張力がハムストリングスにかかる。
黒人選手が短距離に強い要因ですね。

半端じゃねぇボディーバランス

さらに腸腰筋の効果はそれだけにとどまりません。
デービス選手は構える時、やや腰を引ひいて上体を前傾させています。

地面への力の伝え方

この宇宙は『作用反作用の法則』に支配されているので、力を加えると真逆の力で押し返されます。
少し簡単な例で解説してみます。
デービス選手は相手と正対する時は前傾します。
この意味について考えてみます。

力には作用した力と全く同じ力で押し返さえされる『作用反作用の法則』があります。

この押し返される力は鉛直方向と水平方向に分解できます。

そして水平方向の力が人間の推進力になります。

陸上のスタート時のクラウチング(前傾姿勢)は水平方向への力を最大化するための方法だと言えます。

地面に対して力を加える方向、位置は超重要なんです。
デービス選手は上半身を前傾させ、骨盤を後ろに引いた姿勢になって力の使い方を効率化し推進力を強くしていると考えています。

左図のように、デッドリフトを行う時に足の踏み場から重心が遠くなってしまうと持ち上げるのが大変になります。

筋肥大が目的なら負荷が強くなっていいんですが、ボクシングでは体が重くなって動かしにくくなってしまうのであまり良くない。

重心の垂線は足元に近い位置に落とした方が力も伝えやすいし、バランスも安定させやすい。

デービス選手は骨盤を引いているので重心の垂線は丁度足の間に来るのではないでしょうか。
つまり、前傾していますがバランスが安定しているんだと考えています。

また力の延長線上で上手く重心をとらえて、身体を推進する効率も高いと僕は考えています。

デービス選手は前傾して水平方向への力を最大化する為のボディバランスの調節を、骨盤の角度(腸腰筋の短縮)や前後の移動で行っているように見えます。
これができるのがすごいと思います。

ボクシングは相手がいるので状況が刻々と変化します。
相手との距離や角度の違いによってボディーバランスは常に変化します。

デービス選手はハムストリングスの張力が強く地面へ伝える力が大きい、また力の水平方向成分が大きいので強い力を発揮できる
そして、それを常に維持するための優れたボディーバランスがあります。

サンドバッグを打つ場面で右足をピンと伸ばして骨盤を引いています。

例えば以下の図のように猫背で骨盤を後傾させてもバランスを保つことはできます。
しかし、これではハムストリングスに張力がかかりません。
さらに地面反力も干渉されて逃げてしまいます。

デービス選手は常にハムストリングスの張力がかかる姿勢でボディーバランスを保てるんです。

骨盤を前傾させるには腸腰筋の筋力、それに合わせて湾曲する脊椎が必要になります。
デービス選手の爆発的な動きは腸腰筋が強くまた脊椎が柔らかいく、さらに高い平衡感覚を持っているからだと僕は考えます。

微妙なバランスの変化を感知し、普通の人ができないような姿勢でボディーバランスを保てる、またハムストリングスに張力をかけた状態を常に維持できる。
だからこそあのスピードとパワーがあるんじゃないか。
と僕は分析しています。

体幹のブレーキ効果

デービス選手のシャドーボクシングを見てみましたが、体幹を回転させたらすぐに停止させてブレーキ効果を起こしています。

既述の腸腰筋とハムストリングスの強靭さ故に地面反力が大きく、体幹の回転は高速で行われます。
そしてそれだけではなく、デービス選手はその回転を急停止させる筋力と感覚を持っています。
シャドーボクシングですら「ピタッ」っと体幹を静止させます。
これがあるから地面から受けた大きな力で腕を加速させられるんです。

腕のしなり

デービス選手は肩→肘→手首→拳と運動連鎖を起こして拳を叩きつけます。
リーチは長くありませんが、腕がしなります。

この場面もかなり肘がしなっていました。
関節が柔軟なんだと思います。

デービス選手はアッパーを打つ時も脊椎を大きく回旋させたり、大きくのけぞったりとかなりの柔軟な印象を受けます。

Ultimate Gervonta Tank Davis Shadow Boxing Compilation | study purposes | 2020

SSC(伸張-短縮サイクル)

当然デービス選手はSSCを行います。
そしてそれが超高速なんですよね。
びっくりするくらい速いです。

この画像のように腕を伸張(伸ばす)するスピードが上がれば上がるほど伸張反射の筋力は大きくなります。

股関節の屈曲によるSSC。

デービス選手はこの動作が爆速。
始動速度も半端じゃありません。

腕もかなりの速度で背後へ引いて肩の筋を伸張させSSCを行います。

上記の股関節と肩関節のSSCが一瞬で行われているんです。

まとめ

速くて強いのにはそれなりの理由がある。
デービス選手は天才。
平凡な僕達は天才の動きやフィジカルを分析して自分のボクシングへ組み込んでいく必要がある。

天才を理解し、分解し、自分のポテンシャルと融合させて強化する。
そして天才を超える。

凡才には凡才なりの戦い方、可能性がある。

※今回は僕の知識と僕のボクシング理論における分析ですので悪しからず。

2020/7/13追伸:もっと勉強してもっと理解できるようになったら更新します。

スポンサーリンク
力学を理解するアドバンテージは大きい

力学でひも解く格闘技

難しい数学はなく、簡単な具体例と図で説明してくれているので入門にピッタリです。

スポーツバイオメカニクス


僕のボクシングを考える時のベースです。
新しい動きやトレーナーのいうことが正しいか判断を行う時のベースとなります。
具体例など簡単な説明はありません。
全て数学で説明されます。
そうとうな根気がないと読めません。

大学生のための力学入門


バイオメカニクスを考える時のベースの知識です。
小難しい話なので数学や物理が苦手な方には難しい、というか挫折します。
僕みたいに尋常ならざる数学や力学に関する興味がないと読み進めることはできません。
でもこれより身の回りの現象を合理的に説明する方法はありません。

Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人
ストイック長濱

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
WBC世界同級34位
WBO-AP同級3位
角海老宝石ジム所属

ストイック長濱をフォローする
スポンサーリンク
スポンサーリンク
ストイック長濱をフォローする
長濱陸のブログ

コメント

タイトルとURLをコピーしました