慎重派ボクサーのための戦い方 漠然とした指示は無視でOK

トレーニング
トレーニング戦略

根拠なき自信家は初めの内は成長が速く、慎重派より強くなれます。
リスクに無頓着で失敗を重ねながら自分の行動に対する結果の統計がとれるからです。

でもある時からリスクに無頓着だと勝てなくなります。
勝ち続けるにはリスクを正しく評価できる頭脳と慎重さが必要になります。

『メイウェザーは全てを見ていた』

『打ちながらこっちを見て居る』

引用

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リスク = 不確かさ

リスクは行動に対する報酬が分からない状況です。
ワンツーが当たるかもしれないし当たらないかもしれないという状況。
慎重派はリスクを嫌うと言えます。

「どうなるか分からない状況で行動は控えたい」という性格は少しも悪いことではありません。

ボクシング指導の現場でよく見る光景があります。
「いけ!攻めろ!手をだせ!」
もしこう言われただけで大胆になれる人は大胆な性格です。

(そんなこと言われても…)と感じる方は慎重派です。
慎重派はこの手の言葉は無視してください。
大切なのはここで性格に反してまで大胆になろうとしないことです。
いけないならいけないでいい。
慎重派なりのやり方でボコりましょう。

リスク許容度に合わせた行動を選ぶ

『リスク許容度』とはリスク(不確かさ)に対する個人の評価です。
これには経験によって個人差が当然あります。
全く同じ状況で、いきなり大きな右を狙える選手もいれば、ジャブを打つことさえ躊躇う選手もいます。
大切なのは自分のリスク許容度を見誤らないことです。

ジャブを打つことすら躊躇う状況なら、フェイントを使えばいいんです。
相手の出方を見ましょう。
フェイントでなくても頭を前後左右に振るだけでも横へ動くだけでも問題ありません。
大切なのは自分のリスク許容度に応じた行動を選択することです。

自分のリスク許容度を超える行動は隙を生みます。
恐怖や不安が無意識のうちに身体の力みや表情として表出してしまうからです。
フェイントを使ったり、足や頭のポジションを変えながら安心して打ち込める相手のバランスや角度を探すべきです。
サンドバッグを打つのを躊躇うことがないように、相手が反撃してこないと認識していれば全力で打ち込めるはずです。

ディフェンスに集中するのも一つの手です。
フロイド・メイウェザー選手はディフェンスをしながら相手のパンチの角度、ポジション、重心を判断しているそうです。

慎重派にしかできないきめ細やかな統計です。

自分のリスク許容度の範囲でデータを集める

攻めるのが怖い状況なら無理に攻める必要はありません。
相手のフェイントへの反応をよく観察し、ディフェンスをしながら相手のパンチの種類や軌道を見極めましょう。

リスクは不確かさです。
相手のパンチの種類や軌道、フェイントに対するディフェンスの反応を見極めればリスクは感じなくなるはずです。

相手の動きを読んでしまえば、慎重派の本領発揮です。
集めた統計を活用してぼっこぼこにしてやりましょう。

大切なのは恐怖に心を奪われないことです。
動きながら相手の動きをよーく観察して記憶しましょう。
慎重さで大胆さを上回ればいいんです。

自分のリスク許容度に逆らわない

既述しましたが、トレーナーがただ『行け』と言っているのなら聞く必要はありません。
漠然とした指示に従っては失敗を重ねて苦手意識を植え付けられるだけです。

だけど、具体的な指示は試してみるべきです。
そこから統計をとって次の行動に繋げられます。

どんな指示が漠然としているのかと言うと、以下のような指示です。
「出ろ」「手数」「スピード」「ボディー」みたいなもの。
損します。

逆に具体的な指示は「ジャブに対してこう反応する、だからこうしろ」とかですね。

ただこの指示はトレーナーとの関係性にもよります。
一言で通じる関係性もあります。

まとめ

慎重派はスパーリングでも相手の動きを覚えてリスクを消していく作業から始めるべき。
自分のリスク許容度の範囲内でできることをやって、データを集めてから反撃開始。

メイウェザー選手と戦った選手曰く「メイウェザーは全てを見ている」だそうです。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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