攻撃時の拳のトップスピードを上げるにはSSCによる動作がカギを握ります。
今回はディフェンスにおけるSSCの側面で、攻撃の後のパンチの引きについてです。
結論から言うと脱力していればSSCによって振り出した腕は元に戻ります。
SSCによるパンチの引きは不随意に起こるので力みに繋がりにくく、伸張性収縮なので素早く戻すことができます。
打ち終わりに止まる
鏡に映ってパンチを打って毎回打ち終わりに腕が制止する選手が沢山います。
これが気になります。
パンチの軌道や角度を確認しているのならいいのですが、シャドウボクシングでも毎回そうやっています。
超気になる。
これって悪い癖になるし僕は良くないと思っています。
一度運動を随意的に静止させて元に戻してしまうと伸張反射が起こりません。
関節に力が入るので弾性も損なわれます。
SSCが起こらないんです。
僕の体感から言うと元に戻した後に力が抜け切るのに時間がかかり、力み癖にも繋がります
と言うか元の位置に戻す意識は必要ありません。
力を抜いてパンチを打てば打ち終わった瞬間に筋が引き伸ばされてSSCが起こります。
ゴムが縮むように勝手に戻ってきます。
そしてそれは伸張性収縮なので筋を短縮させて元の位置に戻す短縮性収縮より高速です。
伸張性収縮を如何にして起こすかがスポーツのパフォーマンスに繋がっています。
このグラフを見れば一目瞭然です。
フックも
ジャブやストレートだけでなくフックもそうです。
フックは意識しにくいかもしれませんが、脱力すれば打ち終わりは腹部と背中の筋が伸張されてSSCにより腕が引き戻されます。
脱力
脱力が大切です。
力を抜いてパンチが打てれば伸びやキレが上がります。
もしボクシングの基本は何かと聞かれたら、ガードでもフットワークでもなく『脱力』と答えます。
それくらいオフェンスとディフェンスのあらゆる動作に直結しているんです。
ボクシングを始めた頃からもっと徹底的に脱力を教えこんで欲しかったと思います。
まとめ
いわゆる「バネがある」という動きは脱力によるSSC動作を行っているということです。
パンチの打ち終わりに随意的な収縮で腕を静止させようとすると肩甲骨や肩関節の柔軟性を損ねます。
パンチの伸びを損ねるので、パンチの衝撃力を損ねます。
力みにも繋がり固くぎこちない動きになってしまいます。
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