『速さ』を独立させるな! 『緩急』によって効果を最大限発揮させる

技術

スピードはスポーツにおいて大きな武器です。
最大の武器であると断言する人もいます。
PFPファイターを俯瞰してみてもやっぱりスピードは無視できない特徴だと思います。

上位の5人は分かりやすく速い。
ただし速いだけではだめです。

4回戦レベルでもチャンピオンクラスより速い選手は沢山います。
スパーリングでも序盤はスピードで圧倒しているのも見かけます。

でも、速いだけだと中盤には対応されてしまうんです。
大切なのはリズムの変化、緩急です。
剛速球の後のチェンジアップ(遅い球)が空振りを誘うように。

速いだけならリズムを覚えてしまえばいい。

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リズム(タイミング)を変化させる

チャンピオンレベルの選手は訓練によって無意識に相手のリズムを覚える『癖』を身につけています。

『タッタッタッタッタ』

と速いリズムの選手でもそのリズムを一度覚えてしまえば、そのリズムで頭や足を動かせばいいんです。

勝手に外れます。

だから熟練した選手には速いだけでは当たらないんです。
熟練すればするほど、リズムを覚える能力は高くなっていきます。

僕が世界最高のカウンターパンチャーだと思っているクロフォード選手は相手のリズムを盗むのが早く、カウンターのタイミングを合わせるのが上手い。
これは既述のように意識的にやっているのではなく、無意識下で相手のリズムを覚える『癖』が磨かれているってことです。

試合を見る時その選手の攻撃のリズムに注目してみてください。
このブログでは何度もお話していますが、人間の動作にはリズムがあります。
『歩くリズム』『走るリズム』『パンチを打つリズム』

無意識に刻むリズムです。
カウンターは相手のリズムを盗むことから始めます。

逆に言えばリズムをいきなり変化させると、タイミングが狂ってしまうんです。

『タッタッタッタ…タン』

といきなりリズムが変わると、頭を動かすタイミングがズレてしまいます。
もっと言うと、

『タッ…タタタッタッタッ』

という感じで一定のリズムを持たせずに、でたらめなリズムで高度な緩急と強弱をつければ、コンビネーションは当たりやすくなります。

ボクシングは長期戦

もうひとつ。
ボクシングは長期戦です。
スタミナがない選手やペース配分ができない選手は後半でやられます。

ずっと速いボクシングでは疲れて動けなくなります。
スタミナを使う場面、温存して休む場面などメリハリが必要になります。

離れた距離ではゆったりとしたリズムで、攻め込む瞬間や攻防の場面で一気にリズムを上げてスタミナを使うべきです。

これは上記の緩急であり、相手の裏をかくということです。

緩急の上手い選手

カネロ・アルバレス

アルバレス選手はのそりのそりと近づいて、急加速しハードショットを相手に打ち込みます。
この緩急があるから相手は驚いて対応が遅れるんです。

最近はあまり見ませんが、コンビネーションもそうです。
近づくまではゆったりとしていますが、一気に急加速してパンチを打ち込みます。

井上尚弥

井上選手も同様ですね。
ずっと速いわけではなく、射程に捉えた瞬間に急加速して打ち込みます。

井上選手のような一息で数発打ち込むコンビネーションは僕は勝手に『一息コンビネーション』と呼んでいます。
何故かと言えば、この打ち方は当たるんです。
コンビネーションを当てるのが上手い選手は意識的にしろ無意識的にしろ、こんな風に打っていると思います。

井上選手は強打を断続して一発一発打ち込んだり、一息コンビネーションで一気にまとめたりと色んなバリエーションがあるので相手は読みにくいはずです。

まとめ

『速さ』を独立させず、他のスキルによって強化する。

それは緩急であり、リズムの変化。
落差があれば相手の意表を突ける。

カウンターを防ぐディフェンスにも繋がっていく。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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