呼吸と習慣
集中とは思考が統一されて目的達成の為に不要な感情を排除することだと以下のページでお話しました。
僕は呼吸と習慣により感情を支配しています。
でもこの方法はすぐにはできませんし時間をかけて集中した精神状態を作るので例えばすぐに集中したい時や手軽に集中したい時に実行するのは難しいです。
普段の何気ない作業やスパーリング、ミット打ちを集中していない状態で漠然とこなしてしまうと、時間が無駄になります。
時間は誰にでも平等に与えられた資源です。
その資源を効率良く使用するには知識と精神が重要になってきます。
もし同じ時間を練習したとしても集中し身体の細部の感覚にまで気を配った状態とそうでない状態では2倍以上、下手すると3倍以上の差がでると僕は考えています。
つまり1日練習すれば集中していない人の3倍練習したのと同義。
そして試合では瞬時に気持ちを切り替える集中がとても重要です。
これができないと『ピンチはチャンス』とか『チャンスはピンチ』の頭の切り替えができません。
さらに前方を走っている敵を追い上げ、そして抜き去るには練習の効率を上げる必要があります。
集中した状態で練習に取り組み、できる限りのトライアル&エラーを繰り返せば、得られた情報から多くのフィードバックとフィードフォワードを繰り返すことができます。
何も考えず無駄にしてしまった失敗が数えきれないほどあります。
同じ失敗を何度も繰り返していては成長はあり得ません。
今回は僕がやっている簡単な方法をご紹介します。
集中を高める
一点を見つめる
これはどういうことかと言いますと、文字通り『一点を見つめる』だけです。
床に落ちているゴミでもシミでも何でもいいです。
ここからが重要になってくるのですが、徹底的に観察し具体的な形状や質感が分かるまで見つめてください。
「ギザギザ」なのか「ツルツル」なのか、「黒よりの茶」なのか「一体何のシミなのか」「その形はどんなものに似ているのか」
具体的にそれを分類していください。
これが何故重要なのかは後程説明します。
ルーティンを実行する
ここでのルーティンとは例えばラグビー元日本代表の五郎丸選手がラグビーボールを蹴る前に行う奇妙な動作です。

この動作も複雑である方が良いです。
「手の角度」「膝の角度」「指の重ね方」なんかです。
これは集中を高める動作だとか言われたりしますが、何故でしょうか。
練習と同じで『ただそう言われているから』では効果は発揮できません。
僕なりにその意味を考えてみました。
雑念
ここでの「雑念」とは目的の達成に必要な『前向きな感情と思考』以外と定義しておきます。
雑念は僕達の意思とは無関係に勝手に湧いてくるもので、心臓の鼓動と同じで生物の生存に欠かせない生理機能です。
「集中している」とはこの雑念を頭から排除した状態、つまり完全に『前向きな思考と感情が脳を支配している』状態です。
先ほどの『一点を見つめる』時に具体性が必要な理由は、細部にまで意識を向けることで、脳の「潜在意識」が利用できる脳の資源を制限し本能による感情と思考の働きを抑制するためです。
「顕在意識」を物体の細部にまで向けさせ、脳の資源を独占させることで「潜在意識」を排除します。
だからこそ「ルーティン」も複雑である必要があります。
「膝の角度」から「指の重ね方」まで丁寧に「こうしてこうしてこうして…」とやっているうちに例えば「不安」とか「恐怖」みたいな感情が入り込む余地がなくなってしまいます。
自然と集中した状態が作り出すことができるようになります。
僕はスパーリングやミット、練習の開始前には実行しています。
手順を踏むうちに無駄な思考が排除されて集中していくのを感じます。
是非「集中力が足りないなあ」と感じている人は試してみてください。
雑念が排除されていく『集中した感覚』を覚えると、その感覚を指標として今の精神状態がどうかを把握することができます。
今回は僕の行っている集中力を高める方法でした。
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