アウトボクシングのやり方

戦略技術

アウトボクシングって難しいですよね。
こんな質問がありました。

こんな風に質問してくれると説明する為に僕のボクシングへの理解も深まります。

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質問

アウトボクシングしようとするな!

勝負事、もっと言うと戦略においては相手に自分がとっている戦略を読ませないことが本当に大切になります。
『こいつ、アウトボクシングしようとしているな』とか『カウンターを狙ているな?』みたいなことです。
読まれると裏をかかれます。

大切なのは読ませないこと、または相手に自分の戦略を誤認させることによって『裏をかく』ことです。
その為にはアウトボクシングしていると読ませない「戦術」も重要になります。

※戦略は長期的、大局的な計画で戦術は局所的な実行上の手段です。

さらに『アウトボクシングしよう』という発想は漠然としすぎていて失敗します。
このブログでは何度も話していますが、結果に集中してはいけません。
結果を実現する為に必要な過程に集中すべきです。

例えば走りながら速く走ろうとすると気持ちだけがはやって体が前のめりになり重心が安定しなくなったり、身体の連動が損なわれて動きの効率が落ち、気持ちとは裏腹にスピードが落ちていきます。
大切なのは速く走るための動作、身体の連動するリズムに集中することです。
そうすることで自然と速く走れるようになります。

アウトボクシングでも同じです。
実際に何をやるべきなのかを予め明確に計画すべきです。
『アウトボクシングする』ではなく『ここではこう、ここではこう、ここではこう』と決めておくことで結果的にアウトボクシングになります。

当然相手によって用意する手段は変わってきますが、今回は以下の試合について見ていきます。

『フロイド・メイウェザー vs. リッキー・ハットン』『ゲンナ

ディ・ゴロフキン vs. デイビッド・レミュー』
『ワシル・ロマチェンコ vs. ジェイソン・ソーサ』を見本にアウトボクシングについて解説します。

まずはジャブだ!

アウトボクシングでは距離が大切です。
そして距離をコントロールするにはまず『ジャブ』です。
メイウェザー選手とゴロフキン選手はジャブが上手い。
ジャブで相手の攻撃リズムを崩したり、牽制したり。
ジャブが上手く使うことで相手の攻勢を削ぐことができます。

ゴロフキン選手のレミュー選手との試合がとても参考になります。
ゴロフキン選手が中間距離での回転力とパワーが売りのレミュー選手の得意な距離をシャットアウトして封じ込めました。

レミュー選手が弱いんじゃありません。
タイミングを外したり、ガードの隙間を通したりゴロフキン選手のジャブが強くて巧みなんです。

距離を意識しろ!

漠然と「相手から離れよう」ではだめです。
読まれます。
パンチが届かないのはアウトサイドだけではありません。
インサイドも安全な場所があります。
「漠然とロングレンジにいる」みたいなのは危険です。
インサイドが苦手な選手はいます。

特にプレッシャーをかけて相手を追い詰めていくプレッシャーファイターは、その戦い方に慣れているので意外と相手が出てきたときに慌てることがあります。
あまり言及されませんが、よくあることです。

そしてずっーとアウトサイドに居ると相手に動きを読まれます。

インサイドを使ったアウトボクシングはロマチェンコ選手が上手いと思います

youtubeで「lomacenko vs sosa」で検索してみてください。
この試合でロマチェンコ選手のインサイドでのアウトボクシングが参考になります。

このページで一部説明しています。

インサイドもやれ!

ロマチェンコ選手がソーサ選手との試合で見せてくれたようにインサイドのポジションを熟知する必要がありますが、インサイドでも戦えないとアウトボクシングは苦しくなります。
何故なら実力差がある場合を除いてインサイドでの攻防は避けられないからです。
ずっとアウトサイドで足を使うのも体力を消耗します。

フロイドメイウェザー選手はインサイドでの戦いも巧みです。
インサイドで打ち合えるから相手は行くに行けなくなるんです。

「くそーインサイドも上手いなこいつ…」

相手に考えさせましょう。
時間を浪費させるのです。
時間はアウトボクシングに味方します。

クリンチを駆使しろ!

意図せずインサイドに潜り込まれることはあります。
でもそこで慌ててはいけません。
まずは相手の動きを封じます。
腕を脇に挟んでもいいし低いダッキングでもいい。
レフリーに注意されない程度にインサイドで先手を取らせないようにします。

既述の通り、時間はアウトボクシングに味方します。
ここで時間を使わせると相手は焦ります。

「インサイドだと時間が無駄になる」

こう相手に考えさせます。

得意なカウンターを用意しろ

得意のカウンターを相手に認知させて相手に躊躇させます。

「簡単には入らせない、犠牲を払え」

と相手へ伝えるんです。
カウンターで相手にプレッシャーをかけて下がらせるまでできたら理想的ですね!

アウトボクシングのお手本

リッキー・ハットン選手は半端じゃないプレッシャーでメイウェザー選手へ迫ります。
ジャブでハットン選手のタイミングを潰しながら距離を取りアウトボクシング。

インサイドでのクリンチ、ボディーブロー、コンビネーション、ディフェンス。
それに左フックのカウンターと右のカウンター。

後半はこれが効果を出してKOです。
アウトボクシングのお手本です。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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